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大人の目線
20年以上、一言もしゃべらずに
その表情や仕草だけで
日本中の子どもたちを虜にした大人がいる。
1934年生まれの俳優、
高見 映(たかみ えい)。
彼はその名前よりも、
181センチの長身から名づけられた
この役名のほうがよく知られている。
「のっぽさん」
1970年から1990年まで続いた
長寿番組「できるかな」の名物キャラクターだ。
その、のっぽさんが最も嫌いだったもの。
それは「子ども目線」に立つ大人。
子どもの賢さや鋭さは
幼稚なレベルだと決めつけて、
ほどほどの力で接しようとする。
そんな大人を彼は、大人の手抜きとして何よりも嫌っていた。
そしてどんな時でも、どんな子どもに対しても
ひとりの人間として本気で接した。
どうせわからないと思わず、全力で説明する。
怒ってほしい時は、しっかり怒る。
子ども目線という名の上から目線にならず
子どもをちゃんと大人扱いできる
のっぽさんのような大人が、増えますように。