医学の父
食べ物で治せない病気は、医者でも治せない
2500年以上前のギリシアで、こう唱えた人物がいた。
後に医学の父とよばれる、ヒポクラテスである。
400種以上の薬草の知識をもち、
脱臼や骨折を治す器具を考案し、
ペストの流行を抑えるなど功績は数えきれない。
彼にはこんな逸話がある。
マケドニアの王さまが不思議な病にかかり、診察を頼まれた。
王さまの脈をはかると、普通の男性よりも極端に少ない。
顔も青白く、やつれている。
しかし、ある女性がそばを通る時だけ脈が正常に戻る。
名医ヒポクラテスはこんな診断をくだす。
「これは、恋という病です。
この病気を治すことができるのは、愛だけです。」
健康は、食べる物に左右される。
心のありかたにも影響される。
医学がどれだけ進歩しても、
人間そのものは2500年前と
あまりかわっていないのかもしれない。