タモリの上京
「誰の弟子にもならない。」
芸能界へ入る際、タモリはこう決めた。
しかし赤塚不二夫との間柄は
誰が見ても、師匠と弟子の関係だった。
上京して間もないタモリを、
赤坂の自宅で住まわせる代わりに、
自分は事務所で寝泊まりをしていた赤塚。
毎晩のように杯を交わしては、芸を説いた。
タモリは今まで会ったことのない、ものすごい才能だ。
ああいう都会的でしゃれたギャグをやる奴は、贅沢させないと。
貧しい下積みなんかさせちゃダメだ。
そう語った赤塚は、タモリにとって師匠以上であり
父のように慕う存在でもあった。
そんな赤塚へ読んだ、タモリの弔辞。
私もあなたの数多くの作品の1つです。
「バカヤロー」と後頭部を掻きながら
恥ずかしそうに怒鳴る、赤塚の顔が目に浮かぶ。