澁江俊一

澁江俊一 19年11月16日放送


テル
自然信仰

仏教、神道、だけではなく
日本には古くから
もうひとつの宗教があった。

それが修験道。
日本列島にもともとあった自然信仰に
神道や仏教、道教や陰陽道が
影響を与えて、平安時代に
成立したと言われている。

山に入り、
人は自然の一部だと感じる。
修験道の山伏修行が今、
とても人気だという。

なるほど。
山は日本の国土の7割以上を占める。
山から学び、山を信じるのは
とても自然なことかもしれない。

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田中真輝 19年11月16日放送


唐山健志郎
生きる座標

修験道とは、日本古来の山岳信仰が
仏教などの影響のもとに習合された
日本独特の宗教のこと。

自然の中で、極めて厳しい修行を通じて
自ら悟りに至る修験道。その厳しさは、
あえて極端な体験をすることによって、
「中道」つまり「真ん中」を知るため
であるという。

それは自らの体験を通して、
生きることの「座標」を手に入れること
なのかもしれない。

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田中真輝 19年11月16日放送


WolfgangMichel
死を体験する

奈良、吉野から和歌山、熊野にかけて
のびる「大峰奥駆道(おおみねおくがけみち)」は
修験道の修行の場。
その途上にある「山上ヶ岳」はその聖地である。
一般人も一日修行体験をすることができるこの山の
頂上には「西の覗き」と呼ばれる修行場がある。
両肩に紐をかけ急峻な崖からぶら下げられる捨て身行は
まさに死の疑似体験。
生きているという濃厚な実感が欲しいなら、
このショック療法を、一度体験してみることを
お勧めする。

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澁江俊一 19年11月16日放送



日和見

日和見という言葉がある。
相手に合わせて
自分の意見を変える
自己主張のない要素を表す言葉だ。
そこから日和るという
悪口も生まれた。

しかしもともと日和見は
天気を予測することだった。
例えば山伏たちは
山に入り、五感を研ぎ澄ませ
自然を深く観察して
山や川や海、木々や鳥や獣の声を聞き
天候を予測した。
それはたくさんの人の役に立つ
何より重要な仕事だった。

今はすべてを
気象衛星に頼る時代。
人間の日和見能力は、
昔の方が優れていたかも知れない。

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澁江俊一 19年11月16日放送



山伏のビジネス

仏教、神道、だけではなく
日本には古くから
もうひとつの宗教があった。

それが修験道。

自然の声を聞きながら
修行をする山伏たちは
医学や学問、芸能など
日本文化にも大きな影響を与えた。
あの富山の薬売りも山伏だったという。

山に深く入り
自然の声を聞きながら
その声をビジネスにもつなげていく。
その山伏の考え方、
自然との共生が求められる
現代のビジネスマンにこそ
必要なのではないだろうか?

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奥村広乃 19年10月20日放送



洗髪休暇

10月20日(はつか)、今日は頭髪の日。

平安時代には、
変わった休暇があったという。
それは、洗髪休暇。
髪の毛を洗うためのお休みだ。

平安美人のポイントは、
なんと言っても長く美しい黒髪。
2メートルを超える長さの女性もいたのだとか。

これだけ長いと、髪を洗うのも大仕事。
洗って乾かすまで、朝から日暮れまでかかったという。
そこで、宮中で働く女房たちのために、
髪を洗うための洗髪休暇が採用されたのだ。

働き方と共に、休みも時代によって遷り変わる。
令和の時代。
どんな新しい休暇が誕生するのだろうか。

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礒部建多 19年10月20日放送



イザナギとイザナミ

10月20日(はつか)、今日は頭髪の日。

神々を生み出した、イザナギとその妻イザナミ。
イザナミは、火の神を生むと同時に、火傷の為に亡くなってしまう。

イザナギは悲しみ、死者の国・黄泉国(よもつくに)へ
妻を迎えに行ったがイザナミは姿を現さず、
あなたと一緒に帰れるかどうか確かめてくる間、
私の姿は絶対に見ないでくださいと言った。
しかし、イザナギは約束を破って
イザナミの変わり果てた姿を見てしまった。

恐ろしくなったイザナギは、黄泉国から逃げ出すが、
イザナミは、姿を見られた事への恥ずかしさのために憤慨し、
悪霊たちにイザナギを追わせた。

必死に逃げるイザナギは、
頭につけていた黒御鬘(くろみかづら)という髪飾りや櫛を投げ捨てると
そのたびに悪霊たちの足を止めることができたという。

江戸時代の国学者本居宣長によると
古代の日本人は長い髪を編んで草花や葛(かずら)を
飾っていたそうだ。

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澁江俊一 19年10月20日放送



髪の神

10月20日(はつか)、今日は頭髪の日。

古今東西、様々な神様がいる日本。
髪の毛の神様がいることも、
ご存知だろうか?

東京都北区、王子神社にある毛塚。
ここに祀られているのは蝉丸だ。百人一首の
「これやこの ゆくもかへるも わかれては 
しるもしらぬも あふさかのせき」
の歌で知られる、あの蝉丸である。

天皇の子として生まれ
逢坂山に捨てられた蝉丸には
生まれつき髪の毛が逆立った
逆髪姫という姉がいた。

その姿を嘆く彼女のために
蝉丸はカツラをつくった。
もともと目が見えない蝉丸には
姉の姿も見えていない。
それでもカツラをつくる。
どこまでも美しい愛がそこにはある。

髪の毛にまつわる業界の人々から
今も尊ばれている蝉丸の伝説である。

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澁江俊一 19年10月20日放送



さかやき

10月20日(はつか)、今日は頭髪の日。

月代(さかやき)と聞いて
なんのことか思い浮かぶ方は
どのくらいいるだろう?

時代劇で侍がやる
頭の上の髪の毛を
剃り上げる髪型のことである。

もともとは兜をかぶった時に
頭の蒸れを防ぐためだった。
戦場で兜をかぶると気持ちが高ぶる。
つまり気が逆さに上がるから
それを抜くための「サカイキ」が
訛ってさかやきになったとか。

最近、どうにも
頭にくることが多い…という人は
侍にならって、すっきり「さかやき」に
してみてはどうだろう?

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松岡康 19年10月20日放送



武将の白髪染め

10月20日(はつか)、今日は頭髪の日。

日本ではじめて白髪染めをしたのは、
平安末期の武将、斎藤実盛だといわれている。

1183年、実盛は木曾義仲追討のため北陸に出陣するが、敗北。

味方が総崩れとなる中、実盛は老齢ながら一歩もひかずに戦ったが
ついに討ち取られた。

敵方の武将が首を切り、付近の池にて洗わせたところ、
実盛の黒い髪の毛がみるみる白髪に変わっていった。

実盛は出陣前からここを最期の地と覚悟しており、
「最後こそ若々しく戦いたい」という思いから
白髪の頭を黒く染めていたという。

いつの時代でも、戦う気持ちに年齢は関係ない。

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