クリスマスのはなし クリスマスのまえのばん
世界中で読まれている絵本、「クリスマスのまえのばん」。
1822年に学者クレメント=ムアが、
イブの日に、自分の子どもへ即興で書いた物語だ。
彼の描いたサンタは実にチャーミング。
はなは ぷっくり さくらんぼのよう。
わらいだしそうな くち、まっしろなひげ。
いつもは難しい専門書ばかり書いている学者が、
煙突からドスンと登場するドジなサンタを生みだした。
クリスマスには、誰もが子どもになる魔法がある。
クリスマスのはなし クリスマスのまえのばん
世界中で読まれている絵本、「クリスマスのまえのばん」。
1822年に学者クレメント=ムアが、
イブの日に、自分の子どもへ即興で書いた物語だ。
彼の描いたサンタは実にチャーミング。
はなは ぷっくり さくらんぼのよう。
わらいだしそうな くち、まっしろなひげ。
いつもは難しい専門書ばかり書いている学者が、
煙突からドスンと登場するドジなサンタを生みだした。
クリスマスには、誰もが子どもになる魔法がある。
spinster cardigan
美味のはなし 平松洋子の手
フードジャーナリストとして知られる平松洋子さん。
手にペンを握り、世界中を旅して食文化を伝えてきた。
平松さんが料理をするとき、
一番活躍するのは、やっぱり彼女自身の手だ。
手で食材を扱うことで、料理が美味しくなることを
よく知っていた。野菜や、豆腐や、肉も、包丁で形をそろえて切るよりも
割ったり、ちぎったり、握ったりして、食感を楽しめる工夫をこらす。
そんな彼女が、手で調理する喜びを1冊の本にした。
タイトルは、
世の中で一番おいしいのは
つまみ食いである。
台所での彼女の手は、とっても働き者で、
くいしんぼうなのである。
Sanjo
美味のはなし 世界のお弁当
美食の都、パリでも、最先端の街、ニューヨークでも、
流行っている日本の食がある。
それは「BENTO」(ベント)」お弁当のこと。
日本人のだす、お弁当店に、昼時に行列ができるほど。
おいしいものは、こうして軽々と、国境を越えていく。
tamachanhaazarashi
陶芸のはなし 白洲正子
随筆家、白洲正子。
町田市の古い農家を買い取って
能や古美術を愛して生きた。
焼きもののコレクターとしても知られた正子。
その世界に深く惹かれるようになったのは、
美術評論家の青山二郎からいわれたこんな言葉だった。
誰がもっていても一流というのではなく、
自分が持っているから値打ちがある。
そういうものを目指したらどうですか?
名のある茶碗と、名のない茶碗。
両方とも元はといえばアジアの片田舎の生まれた飯茶わんなのに、
農家の台所に埋もれているものもあれば、
展覧会のガラスケースの中に収まるものもある。
その事実に、正子は、
世の中にこれほど自由な存在があるだろうかと
胸が躍ったという。
白洲正子はこう言った。
焼きものは、すべて発見です。
陶芸とは、それを選ぶこと自体も
芸術たりえる、創作活動なのかもしれない。
Yumi Kimura
陶芸のはなし 飛田和緒
ごはんをよそうという言葉は、
装うからきているらしい。
料理を装う、和の器にみせられた
料理研究家の飛田和緒(ひだかずを)は
こう言っている。
器に誘われて料理を作る。
そうすると、とびきりおいしくなるんです。
陶器に魅せられ、はじまる、
そんな食欲の秋も悪くない。
日本の「食」 小林カツ代の和の洋食
日本の家庭料理の第一人者、料理研究家の小林カツ代。
20代後半から仕事に追われながら、
年子2人の子育てに奔走した。
そんな彼女が忙しすぎて心が荒んだ時、夕食につくるのが
「やさしい気持ちになるコロッケ」。
つぶしたじゃがいもを手の上でコロコロするうちに
落ちついた気持ちになれたという。
秘密の隠し味は「練乳」。
こっそり入れると、ほっこり甘くなる。
子どもたちが大好きな和の洋食。
家族をつなぐ、そんなレシピが、
きっと、どこのうちにもある。
U.S. Army Garrison Japan
日本の「食」 ラーメンという食文化
ラーメンを売るな。食文化を売れ。
日清食品の創業者、安藤百福。
世界初のインスタントラーメンを手に、
社員に檄を飛ばした。
それから、56年、
日本のラーメンは、世界も認める
立派な日本食に成長した。
mumchancegaloot
5.香りのはなし ある調香師の仕事論
世界的に有名な調香師、
ジャン=クロード・エレナ氏は、自らの仕事を
こう定義している。
調香師とは、香りの文筆家のようなものだ。
そして、香水とは、匂いの書いた物語だ。
彼の代表作として知られる、エルメスの庭シリーズ。
『ナイルの庭』『地中海の庭』『屋根の上の庭』。
まさに小説のタイトルになりそうな名をもつ。
彼の調香スタイルは、愛用のモレスキンの手帳を携え、
南仏のグラースに構えたラボラトリーから、旅に出ること。
『地中海の庭』の調香をはじめた時のことだ。
チュニジアにある友人の家でパーティをしていると、
庭にでて、微笑みながら、いちじくの葉をちぎって、
香りをたしかめている女性を見かけた。
その瞬間、香りのイメージが、浮かんだ。
急いで、ラボラトリーに戻り、香りを組み立てていった。
こうした瞬間が重なって、
エルメスの香水の売上を三倍に跳ね上げたとまで
いわれる香水群は世に生まれた。
彼は自分の仕事について、こうも語っている。
もらった自由は、仕事の成功でしか、返せない。
6香りのはなし グルヌイユの恋
46カ国語に翻訳された小説、
パトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』。
愛する女性の香りを永久に保存するため殺人を犯す
孤独な男の物語だ。
異常に鋭い嗅覚をもつ主人公、
グルヌイユは、苦悩し、こう独白する。
見たくないなら目をふさげばいい、
聞きたくないなら耳をふさげばいい、
しかし鼻はそうはいかない、
それは呼吸に関わっているからだ。
香りとは、ときに、ひとを、
抗いようのない、
甘美で悲しい恋に誘う。
M6 Panda
家の話 いしいしんじの町家
幻想的な味わいの作品を発表する作家、
いしいしんじ。
数年前から、京都の
古い町家に住んでいる。
彼にとって家は仕事場。
書いているとふとこう思うという。
家というよりも、「不思議なトンネル」
の中いるような感覚になる。
家の中でも、遠くにいける。
それは、町家の魔法かもしれない。
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