海のはなし べサニ―ハミルトン
べサニ―ハミルトン。
ハワイに生まれた彼女は、
5歳から海にかよう小さなサーファーだった。
スポンサーもつき、活躍をはじめた13歳のある日、
彼女の人生はがらりと変わる。
早朝、波を待っていると、
左手に強く引っ張られるような衝撃を感じた。
その瞬間、自分の周りの海が赤く染まった。
左手をサメにボードごと食いちぎられたのだ。
体内の半分もの血を失った彼女は、
病室で、父親にこう言った。
「わたし、世界一のサーフィン写真家になりたいな。」
左手を肩からまるまる失い、
もうサーフィンはできないと思ったからだ。
けれど次の日には気が変わっていた。
べサニ―は、「明るさ」という強い武器をもっていたのだ。
4週間後にはもう海にいた。
現在23歳のべサニ―は世界的な
女性サーファーとして活躍している。
彼女は言う。
人生はサーフィンみたいなものよ。
波に飲み込まれたら また次の波に乗ればいい。