薄組・熊埜御堂由香

熊埜御堂由香 18年9月30日放送

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Jing Liao 廖品淨
大地のはなし 大地の芸術祭

人間は、自然に内包される。
新潟県の越後妻有(えちごつまり)で
3年に1度開催される、
大地の芸術祭が掲げ続けてきたテーマだ。

この芸術祭は、美術館の白い壁で見るアートとは
一味違う体験をもたらしてくれる。
広大な自然の中に、点在するアート作品を
道しるべに里山を巡る。

もともとは、越後妻有は、過疎高齢化の進む豪雪地だった。
立ち上げ当初は、地元の住民の中には、戸惑いを感じる人もいた。
それがいつのまにか、
都会から来た若者のボランティアと、
一緒に芸術祭を盛り上げるようになった。
アーティストが滞在して、暮らしの中で作品を作っていく。
会を重ねるごとに制作したアート作品が増えて行き、
里山の中に溶け込む風景になっていく。

大地がまるごとよろこんでいる。
そんなお祭りは、2000年から今年で7回目を迎え、
50万人近くが世界中から来場する国際芸術祭になった。

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熊埜御堂由香 18年8月26日放送

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宿題のはなし 音読の効用

宿題をする子どもも大変だが、宿題を見る親も実は大変だ。
1年生の宿題の定番、「音読」。
子どもは文章を読む。親はそれを聴く。
この宿題、文字通り、お父さん、お母さんにとっても
もしかしたら耳が痛い宿題かもしれない。

姿勢良く読めたか?
声は大きかったか?
気持ちはこもっていたか?
親が採点をして学校に提出する。
全部マルで出すと、それはそれでちゃんと聴いていたのかと
先生に思われるかも・・・とたまにサンカクやバッテンも
織り交ぜながら、採点する。

繰り返し、繰り返し、なぜ毎日、
おんなじ文章を読み上げなければないならいのか?
諸説あって、声に出すと黙読では読み流していた
言葉に意識が向き理解が深まるだとか、
唾液が多く分泌されて、虫歯予防になり、成績もアップする
という説も。

ある先生は、こんな説を持っている。
「声を出す」ことを続けると、「自分の意見を言う」気持ちにつながる。
だから音読は毎日、コツコツやるんです。

なるほど、ルーティンだと思ってしまえばつまらない
音読も、いつか自分自身の言葉を持つための準備運動と
思うと、今日も一緒に頑張ろうとやる気も湧いてくる。

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熊埜御堂由香 18年6月24日放送

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t-mizo
空のはなし 虹の色、空の色

虹の色といえば、日本では7色。
けれど、アメリカでは6色、ドイツでは5色、
アフリカのバサ族には
赤と黒の2色に見えるそうだ。

虹だけでなく、空そのものも色も、
太陽の光量や、目の色など
さまざまな要因がからみあって感じ方が変化するらしい。

空は、人間の感性の違いをおおらかに受け止める
カラフルなパレット。
今日の空は、あなたにはどんな色に見えますか?

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熊埜御堂由香 18年5月27日放送

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うたのはなし

いいうたって、なんだろう。

世界最古と言われる歌がある。
3400年前にシュメール人が
石版に刻んだ賛美歌のメロディだ。

ひとが一番最初に音を奏でた時、
ひとは祈りをその心に抱いていた。

いいうた、それは心に宿るうた。

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熊埜御堂由香 18年5月27日放送

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うたのはなし 大阪うまいもんの歌

いいうたって、なんだろう。

関西人ならきっと誰もが知っている
「大阪うまいもんの歌」という手遊び歌がある。
保育園や幼稚園で子どもたちに歌い継がれてきた。

♪大阪にはうまいもんがいっぱいあるんやで〜
をはじまりに、たこ焼きや、もんじゃ焼き、かに道楽まで
紹介していく。

育ち盛りの子どもたちが思わず口ずさむ。
それは、大阪を代表する、花マルの「いいうた」だ。

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熊埜御堂由香 18年4月29日放送

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jens johnsson
わたしのはなし 平野啓一郎とわたし

わたしとは、なんだろう。

この普遍的な問いに
作家の平野啓一郎さんこう答えた。

 他者との関わりで変化する複数の自分が「わたし」を
 構成していて、唯一無二の「本当の自分」は存在しない。

それは、「わたし」を「あなた」に
開いていくとっても素敵な回答だ。

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熊埜御堂由香 18年3月25日放送

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呼吸のはなし サン=テグジュペリの愛の言葉

星の王子様の作者、サン=テグジュペリが
愛について残した言葉がある。

 私たちは同じ目的によって隣人と結ばれるとき、
 初めて呼吸することができる。
 愛するとは、お互いに見つめあうことではなく、
 ともに同じ方向を見ることだ。

大事なひとと喧嘩になったら、
思ってもいないひどい言葉を投げるより、ひと呼吸。
窓をあけて、ふたりで深呼吸しよう。

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熊埜御堂由香 18年2月25日放送

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jackyczj
喫茶の話 村上春樹のジャズ喫茶

村上春樹は小説家になる前、ジャズ喫茶を数年営んでいた。
窓のない地下の静かな店だった。

村上は店を開いた時の想いをこう語った。

 小さな店でもいいから、自分ひとりで
 きちんとした仕事をしたかった。

喫茶店という空間は、その店主だけが生み出せる
特別な時間が流れている。

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熊埜御堂由香 18年2月25日放送

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Shin Takeuchi
喫茶の話 狭山茶の歌

日本三大茶とも言われる埼玉県入間市の名産、狭山茶。
大正時代から製造を続ける新井園本店には
小さなカフェが併設されている。
狭山茶で、地元のひとの合間の
空き時間を豊かにしたい。
そんな想いで始めた。

 色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす。

とお茶摘みの女性たちが
収穫の合間に歌いながらお茶を育ててきた。
その甘く濃厚な味わいは、
地元の味を誇りに想う気持ちに、今も支えられている。

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熊埜御堂由香 18年1月28日放送

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fui
鍋の話 妹尾河童のピェンロー鍋

舞台美術家の妹尾河童が
中国からレシピを日本に広めた冬の鍋、
それがピェンロー鍋だ。
だし汁でたくさんの白菜と鶏もも肉などを煮込む。
妹尾が教える美味しくなるコツがある。
うーんと寒くなって、白菜がウマクなるまで待つこと。
寒いは、旨い。今夜は鍋にしませんか。

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