ジョニヲ
お酒のはなし 川上弘美と居酒屋
芥川賞作家、川上弘美さん。
ベストセラーになった
「センセイの鞄」などお酒を飲む場面が
作品にたびたび登場する。
お酒について彼女が書いたエッセイにこんな書き出しがある。
今までで一番多く足を踏み入れた店は
本屋、次がスーパー、三番めは居酒屋だと思う。
そして、つぎの行ではそんな自分の人生を
なんだか彩りにかける人生である、と語る。
けれど、川上さんが描くお酒とひとは、
わかる、わかると切なくて、何度読んでも引き込まれる。
それはまるで、
居酒屋で居合わせた知らないひとと思いがけず
深い話をしてしまった時みたいに。
日常のひとこまが
ほんのり色づくそんな感覚を呼び覚ましてくれる。