Emran Kassim
お米の話 振り米の言い伝え
お米が主食として行き渡るようになったのは、
第二次世界大戦中の配給米からだといわれている。
それまでは、麦や、アワ、ヒエなどで人々は食をつないできた。
そんな日本の農村に「振り米」という言い伝えが残っている。
重い病人が村にでると、よその村からひとにぎりの米を借りてきて、
竹の筒に入れて振って、耳元で米の音を聞かせていたのだ。
「ああ、がんばれば、米が食べられかもしれない」と
気力がでて生き延びるひともいれば、
亡くなっても安らかな顔をして冥土へ旅立てたという。
食べることは、生きることと言うが、
つやつやの白いお米は、日本人の生きる希望
そのものなのかもしれない。