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踊る玉子

このVisionという番組の原稿制作のために
コピーライターが集っているのは、いってみれば
事務局、厚焼玉子(旧姓 中山佐知子)さんのもとに集っているのである。

玉子さんは、その名を知らないものはいない
コピーライターであり、ラジオCMディレクターであり、
そして若手コピーライターたちの母である。

そんな母が、今日はフロアの真ん中で踊っていた。
さぞかしうれしかったのだろう。
くるくるまわりながら踊っていた。

でも、自分の母親がいきなり踊り出したらどうですか。
びっくりするでしょう。みなびっくりしてました。

さらにいきなり手をつかまれて私まで踊らされたものだから
酔いのまわっていた私は
貧血で目の前が真っ暗になり、死ぬかと思ったのです。(中村)

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中村直史 11年10月2日放送



ガンディーとスマッツ将軍

たとえば、南アフリカのスマッツ将軍。
ガンディーが南アフリカで人種差別の撤廃を求め闘っていたころの、
その闘いの相手だった。

ガンディーは人種差別的なあらゆる法律をわざと破り、
自ら進んで投獄されることによって、
南アフリカのリーダーたちと、世界中に向けて、
いかに人種差別がおかしいことかを訴えつづけた。

1914年、ガンディーたちの運動は
「インド人救済法」の成立へとつながる。
この法律をつくったのが、白人社会のリーダーであったスマッツ将軍だった。

その後、インドに戻ることとなったガンディーは、
投獄中に自らつくったサンダルをスマッツ将軍に贈った。
スマッツ将軍は、後日こう述べている。

 わたしは、それ以来いく夏もこのサンダルをはいてすごした。
 このような偉大な人物と、おなじはきものをはく資格はないと感じながら。

いかなる暴力にも頼らないこと。質素な暮らしをすること。
その力を信じ抜いたガンディーらしい贈り物だった。



ガンディーと孫アルン

規律に厳しいことで知られたガンディー。
けれど、ユーモアにあふれる人でもあったようだ。

孫の一人アルンが旅に出るガンディーに
サッカーボールのおみやげをねだったときのこと。

おじいちゃんは忙しいからきっとおみやげを忘れるよ
というアルンに対し、ガンディーは言った。

ぜったいに忘れないよ。でももし忘れたら、
おじいちゃんの頭をサッカーボールがわりにして遊んでいいから。

結局おみやげを買ってきたかどうかの記述は残ってない。
けれど、もし忘れたとしても・・・
ガンディーのことである、約束は守ったに違いない。

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中村直史の五島の写真で構成してみた



文・写真:中村直史 声・音楽:柴草玲

コピーライターの左ポケットhttp://01pk.seesaa.net/

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明日9月4日の左ポケットは中村直史です



コピーライターの左ポケットとは
毎週日曜日の夜にFM栃木で放送されている番組
柴草玲のイヌラジ」の1コーナーとして存在している。
毎回コピーライターが書いた原稿を柴草玲さんが読んでくれる。

チームVisionのメンバーもときに参加することがある。
誰が参加したか調べたいときは
コピーライターの裏ポケットが便利だ。
裏ポケットの左サイドに執筆者の名前があって
それをつらつら眺めるに女性陣の参加が目立つ。

う〜む、ポケット社は女性不足なのだろうかという詮索は
あとまわしにして
明日9月4日の執筆者は中村直史だということを書いておきたい。
そもそっちの事務局も私なので
さきほど動画をつくってアップしたのだが
なかなかこれが、なんだか直史らしいいい原稿だった(玉子)

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中村直史 11年8月14日放送



前を向く言葉/ロン・クラーク

世界中の人が差別や仲たがいなんかせず、
認めあって生きていく方法は何だろう。

政治的観点から、経済的観点から、歴史的観点から、
専門家たちが専門的な見解を披露してきた。
もちろん、その多くは示唆に富むけれど、
ときにはちょっと難しくて、ひとりひとりが
具体的にどうしたらいいか、わからない場合もある。

そんなときは、ムズカシイ話をカンタンにしてくれる人に聞いてみよう。

アメリカの小学校教師ロン・クラーク先生の本
「みんなのためのルールブック」

子どもたちのために書かれた
50ある、「あたりまえだけど大切なルール」の
23番目のタイトルには、こう書かれてある。

「だれであれ、なかまはずれにしない。」

 だれかがとなりに座りたがったら、
 座らせてあげよう。
 決まった友だちとしか
 座らないのは、よくないことだ。

ほら、話はカンタン。
大人もこんな気持ちでやってみましょうか。



前を向く言葉/齋藤孝

「声に出して読みたい日本語」を書いた斎藤孝。

教育者である彼は、
子どもたちに向けて、熱く語りかけつづけている。

著書のタイトルから熱い。たとえば、
「ガツンと一発・カッコよく生きてみないか!」

カッコよく生きるとはどういうことか、
わかりやすく、熱っぽく書かれたその本の中に、
ひときわ目立つ一行があった。

 逆風がふいているときこそ、人はカッコよくなれるんだ。

いま、カッコよくなれるチャンスかもしれません。

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中村直史 11年7月17日放送



ヨーロッパの芸術家/カルロ・マリア・ジュリーニ

1984年、イタリア人指揮者
カルロ・マリア・ジュリーニは
ロサンゼルス交響楽団の音楽監督を辞任した。

理由は、妻の病気。
つねに近くにいてあげられるよう、
フリーの指揮者となり
引きうける演奏先をヨーロッパに限った。

そういう音楽家だった。

精神性や愛情が、音楽にとっていかに大切か。
日頃の態度からにじみでるような。

ていねいで、つつしみ深く、
オーケストラと指揮者の関係にも敏感だった。

 オーケストラの「指揮」だなんて恐ろしい言葉です。
 大切なのは、「いっしょに音楽をする」ということなのです。

メディア受けする華やかさやカリスマ性だけが
芸術をつくるわけではない。
ジュリーニの精神性に感銘を受けた多くの指揮者たちが
今日も世界中のホールで音楽を響かせている。


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中村直史 11年7月17日放送



ヨーロッパの芸術家/パブロ・カザルス

歴史上最も偉大なチェロ奏者と
称えられるパブロ・カザルス。
彼が大切にしたのは
技術の先にある演奏者の「心」だった。

指揮者としても活躍したカザルス。
そのリハーサルに立ち会った人は、
楽団員に熱っぽく語りかける彼の姿を克明に覚えている。

 もっとあなたの感情を表現しなさい。
 提示しなければならないのは知識ではなく、ここだよ。

そう言って、カザルスは自分の胸に手を当てた。

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中村直史 11年6月12日放送



あの人の師/笑福亭鶴瓶

恐ろしくて、おもしろい師匠だった。
六代目笑福亭松鶴(しょうふくていしょかく)。
弟子のひとりに、あの笑福亭鶴瓶がいる。

弟子をとりたくない松鶴に
最初は居留守を使われながらも、
なんとか面会を許された若き鶴瓶。
向かい合った偉大な落語家の唇に飼い犬の毛が一本
ついているのを見逃さなかった。

師匠が恐ろしいことは知っている。
初対面の緊張もある。
しかし、心の中の声がこう叫ぶのを無視はできなかった。

その毛をとれ。とったらおもろいから、その毛をとってまえ。

突然手を伸ばし「犬の毛がごっつう気になるんで」という鶴瓶に、
松鶴は一言「おもろいやっちゃなあ」。
晴れて、入門は許された。
師匠を心から慕った鶴瓶。
今も、あの犬の毛に感謝しているに違いない。

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中村直史 11年6月12日放送



あの人の師/平岩弓枝

「はやぶさ新八御用帳」(はやぶさしんぱちごようちょう)など、
すぐれた時代小説で知られる作家、平岩弓枝(ひらいわゆみえ)。

歴史資料のその奥に潜む
人間をていねいに描きだすことで、
オリジナルな物語を生みだす。

彼女にそのことを教えてくれたのが、
恩師であり、大衆文学の祖とも言われた
長谷川伸(はせがわしん)だった。

長谷川は、小説家としての大事な心構えのほかに、
お守りとなる言葉をひとつ、平岩にのこした。

 将来、本当に君が人生に行きづまり書けないとなったら、
 必ず幽霊となって出てくる。
 だから、君が僕の幽霊に出会わない限り、行きづまりの壁にぶつかっていないのだ。

平岩はまだ、恩師の幽霊に
出会ったことがないという。
それが少しさみしいようでもある。

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五島のはなし(137)

「めくる」ってドキドキしますね。
あ、いま、本のページをって思ったか
スカートをって思ったか、
その想像があなた自身ですぞ。

五島で、「めくる対象ナンバーワン」と言ったら、
ダントツ「岩」ですね。磯の岩。

カニだっ!
ギンポの子だっ!
トコブシ!
エビ!

あと、うわ~なんだこれっ!?
っていうのも多い。
「磯の岩めくり隊」っていうグループ売れないかなあ。
売れないだろうなあ。

めくるめく、めくる

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