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ピィピィピィとさえずるひばり
さえずりながらどこまであがる
高い高い 雲の上か
声は聞こえて見えないひばり
(文部省唱歌)
ゴールデンウィーク、五島の鬼岳は、ひばりの声がすごかったです。
超サラウンド効果。
東京に戻ってきてからも、耳から離れません。
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ピィピィピィとさえずるひばり
さえずりながらどこまであがる
高い高い 雲の上か
声は聞こえて見えないひばり
(文部省唱歌)
ゴールデンウィーク、五島の鬼岳は、ひばりの声がすごかったです。
超サラウンド効果。
東京に戻ってきてからも、耳から離れません。
フェリーのつく大波止ターミナルから北西へ20分くらい歩くと
こんもりした山があります。通称「こんぴらさん」。
山道を歩くと、岩肌に彫りこまれた仏像を見ることができます。
磨崖仏(まがいぶつ)というらしいですね。
だれが彫ったんでしょう。
彫るという行為は、気持ちを込めることと直結してる感じがします。
五島の人が日ごろ祈りをささげる場所なんですかね。
子どもの頃は遊びまわってるだけで、あんまりそんなこと考えたことなかった。
やっぱ腹八分が大事らしいっすよ。
山頂近くには祠があって、その前に何体かの狛犬(こまいぬ)がいたのだけど、
月日がたち過ぎたんでしょう、狛犬がにらんでいるのか、笑っているのか、はたまた嘆いているのか、
よくわからない顔になってた。人間も歳とるとそうなるのかな。
なんか、いろいろ許してくれそうな顔です。
そもそもこれ・・・狛犬?
五島では5月5日こどもの日に、おふろに「菖蒲(しょうぶ)」の葉をいれて、
それを頭に巻く(頭が良くなるように)、
おなかに巻く(おなかがいたくならないように)、
そのほか、健康が気になる部位に巻く、という慣例がある。
これ、全国的なこと?
五島だけ?・・・ってことはないですよね。
こどものためにやるものなんですが、
切なる願いをこめて、ぼくは、自分の頭に何度も巻きつけてきました。
Vision執筆者のひとりでもある先輩コピーライター
蛭田さんとお昼ご飯食べていたら、
「五島っていえばさあ・・・」
と、最近蛭田さんが耳した情報を教えてくれた。
なんでも五島の中学校を舞台にした物語がヒットしているとのこと。
調べてみたら小説だった。
「くちびるに歌を」 中田永一
舞台となっている中学校は、城跡に建てられている、という設定だと聞いて、
それはぼくの母校五島高校をモチーフにしてるのかな?と想像した。
にしても、なんで五島が舞台なのだろうか。
作者がゆかりがあるのか、たんに訪れてみて、舞台設定にぴんとくるものがあったのか。
すばらしい小説らしいので、
すこしでも五島が役にたったのなら、うれしい。
Berliner Büchertisch
いつまでも素敵な女性/ハイデマリー・シュベルマー
そして、その女性は、一文無しになってしまった。
理由は、借金をつづけたからでも、事業に失敗したからでもない。
ただ、お金を持っていたくなかったから。
ドイツに住むハイデマリー・シュベルマー。
お金にふりまわされるこの世界はどうもおかしい、と、
ある日、持っているお金をすべて手放した。
家も手放し、年金も放棄。
市場で捨てられた野菜をわけてもらい、
スーパーの掃除をした見返りに果物をもらい、
友人宅を泊まり歩く。
すべてがなくなったら、一気に開放された気持ちで、
飛びあがりたいほどうれしかった!
そうにこやかに語るハイデマリー。
世の中の人は言う。あなたのようには生きられない、と。
・・・でもぜひ話を聞かせてほしい!いつでも泊まりにきて!
そうやって、つぎからつぎへと、彼女の生活を支える人はふえていく。
一文無しになって14年。
お金にしばられた世界のおかしさを訴えつづけるハイデマリーの生き方は、
実は、世界がやさしい気持ちに満ちていることも、示している。
よしぼー
いつまでも素敵な女性/村山キヨ
沖縄のおばあちゃんたちは、
愛情と敬意をこめて「おばあ」と呼ばれる。
宮古島・西原地区の村山キヨさんは、そんなおばあのひとり。
そして、その地方に古くから伝わる歌、
「古謡」の伝承者として知られている。
前の世代から受け継いだ数々の歌を、残らずぜんぶ記憶している。
そのヒケツを聞かれたキヨおばあはこう答えています。
今の若者は紙に書くから、紙が覚える。
自分たちは紙に書かないから、頭が覚える。
おばあちゃんの言うことって、深みがあります。
五島もめっきり春です。
食卓に「めかぶ」が出てくると春なのです。
やわらかく、ねばりけがあって、潮の香りがする。
今しか食べられない海の幸。
先週五島に帰省しこの「めかぶ」を食べたとき、思わず目を閉じましたね。むはー。うまい。
魚たちも水温が上がるとともに活発になってくるみたい。
あらかぶの子どもたちが積極的にエサを追いかけます。
釣り上げた途端、真っ黒の墨をおしりから出しました。
これ、海の中で、アオリイカの子どもを食べてるから。
それで、お腹の中にイカスミがたまっている。
実際、岸壁沿いには、子イカが何匹もゆらゆらとただよっていました。
おいしいイカを食べている魚なら、当然うまいはず。
でも小さいあらかぶや卵をもったあらかぶは海にかえします。
カマスキー
言葉・2011/立川志の輔
立川志の輔は重い気持ちだった。
毎年恒例のタイ・バンコクでの落語会。
が2011年の春は、日本を離れて落語をやることに
ぬぐいきれない罪悪感があった。
そんな気持ちをひきずったまま、タイにたどりついた。
そして、苦手な入国審査。
人の心や情を語り続ける落語家にとって、
人格を無視したような審査は大の苦手だった。
おそるおそるパスポートを手渡す。じろりと荒探しするような眼。
コンピュータを見て、スタンプを押し、パスポートを返す。ここまではいつもと同じ。
ただ次の瞬間、タイの入国審査官は、にっこりと笑みを浮かべると、
片言の日本語で「お気をつけて」と言った。
オキヲツケテ!
日本が大変な状況になっているいま、
自分たちにできることは何だろうとタイの空港職員たちは話し合い、
そして実行したのは「笑顔で一声かけること」だったという。
ちょっとしたこと。自分にできること。
何かを変えられるかもしれない、第一歩のこと。
cyber
言葉・2011/嶋基宏
東北楽天ゴールデンイーグルス選手会長、嶋基宏。
彼が行った2011年オールスターゲームでの
スピーチにはこんな一文が含まれていた。
僕たち野球選手の使命は、野球の魅力や、
そこから生まれるドラマを通じて、
「ヒトの生きる力」に貢献する事だと思います。
嶋選手の言葉を聞いて考えさせられた人は少なくないと思う。
「ヒトの生きる力」に貢献すること。
どんな職種の人だって、それが使命なのかもしれない、と。
冬の五島に行くと、けっこう寒いし、天気は悪いし、
あんまり活動的なことができないのであるけれども。
んでも、天気が悪いのもまたナイスな景色に変えてしまう高浜海水浴場。
と、そのお隣の、とんとまり海水浴場。
雲と霧と水とかとろけあって、見てる方もとろけちゃいそうでしたよ。
野球をおもしろくした男たち/福本豊
現役時代、名捕手として知られた野村克也は、
キャッチャーの技術を鍛えてくれた人、として
福本豊の名前を挙げる。
福本豊
通算盗塁数1065
最高シーズン盗塁数106
日本が世界に誇る盗塁王。
「福本は・・・」と野村は困ったように言う。
「走ると思えば走らないし、走らないと思えば走る」
福本豊の長所はまさにそこにあった。
つまり、次にどうくるか、「読めない」。
そして解説者になった今も、福本豊は、
持ち前の「読めなさ」で、プロ野球中継を盛り上げている。
盗塁のコツを聞かれて、 「まず塁に出なあかんなぁ」
さらには試合の解説中、アナウンサーにいまのピッチャーの心理は?と聞かれ、
「わからん」
キャッチャー泣かせだった男は、
いま、実況アナウンサーを泣かせている。
k_haruna
野球をおもしろくした男たち/赤星憲広
赤星憲広(あかほし のりひろ)
「赤い彗星」のニックネームで愛された
元・阪神タイガースのスピードスター。
得意としたのは盗塁。
あるとき「盗塁の秘訣」について質問された。
インタビュアーは赤星らしい独特の理論を期待したが、
意外な答えが返ってきた。
盗塁のコツは「勇気」。赤星は言った。
僕にとって盗塁の数は勇気の証です。
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