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澁江俊一 18年1月21日放送

180121-04

探検家の失敗

探検家は、
失敗した時こそ強い。

20世紀初頭に
イギリスの南極探検隊を率いた探検家
アーネスト・シャクルトン。
南極大陸の初横断を目指すも失敗。
極限の寒さと乏しい食料の中、
28人のメンバーが南極圏に取り残された。

シャクルトン以下6名の乗組員が
小さな救命艇に乗って、
南極海を1,500キロに渡り航海。
やがてシャクルトンは残された乗組員を救出しに戻り、
一人の命も落とさず全員が生還した。

 目標を失ってしまったら、
新しい目標を
目指せばいいんだ。

その切り替えの早さが、
シャクルトンを英雄にした。

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澁江俊一 17年12月24日放送

171224-02

作家の恩送り

もらった恩を返すのが「恩返し」。
もらった恩を他の人に送るのが「恩送り」。

作家の井上ひさしは
中学の頃、生まれて初めて
英和辞典を万引きし、
書店のおばあさんに捕まった。

そのおばあさん
ひさし少年を厳しく諭し、
薪割りをさせた上で、その辞書をくれた。
しかも薪割り代金の残りまで。

返し切れないほどの
恩を感じたひさし少年は
後に作家になると、その書店があった町で
無料の文章教室を開いた。

さて、今夜あなたも、
誰かにもらった恩を
別の誰かに送りませんか?

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澁江俊一 17年12月24日放送

171224-03

玉手箱の理由

今夜たくさんの誰かが
誰かに贈りものをするだろう。

誰もが知っていて
しかし誰もがそれをもらった理由を不思議に思う
そんな贈りものといえば
浦島太郎の玉手箱。

なぜ亀を助けたお礼に
乙姫さまは玉手箱を渡したのか?
なぜこの意外な結末がこんなにも時を超えて
語りつがれているのか。

正解はない、ただ解釈だけがある。

こんな解釈もある。

 三百歳になったのは、
 浦島にとって、決して不幸ではなかったのだ。
 年月は、人間の救いである。
 忘却は、人間の救いである。

太宰治「御伽草子」の浦島さん
という文章の中の言葉である。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-03
The Kids and Kahlie
ドラッカーの言葉 マネジメントと管理

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

マネジメントという言葉を
広く世界に知らしめたドラッカーだが
日本でこの言葉は、部下たちの行動を
逐一管理することだ、と思われがちである。

実は管理と、マネジメントは、
まったく違う概念なのだ。

ドラッカーは、マネジメントを
こんな言葉で表現している。

 マネジメントとは、人にかかわるものである。
 その機能は人が共同して成果を上げることを可能とし
 強みを発揮させ、弱みを無意味にすることである。

部下が、心から幸せに働けて
弱みではなく強みを活かし
成果を上げられるように導くこと。
その成果を企業の成長の原動力にすること。
それこそがマネジメントの意味なのだ。

管理職なんていう言葉は、
そろそろ日本から
なくなるべきなのかもしれない。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-04
austrini
ドラッカーの言葉 若者たちへ

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

企業という組織の使命を
生涯にわたって研究し続けた彼の言葉は、
予測不可能な時代を生きる私たちにも、
大きな勇気をくれる。

例えば、こんな言葉。

 無数の選択肢を前にした若者が
 答えるべき問題は
 正確には、何をしたら良いかではなく
 自分を使って、何をしたいかである。

その通り。
まず、意志があることは、
実は、とてもしあわせなことなのだ。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-05

ドラッカーの言葉 価値観の一致

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

あなたの会社の価値観を
あなたは知っているだろうか?
その価値観に共感し、
納得して働けているだろうか。

ドラッカーはこう語る。

 組織において成果をあげるためには、
 働く者の価値観が組織の価値観に
 なじむものでなければならない。
 さもなければ心楽しまず、成果もあがらない。

価値観など気にせず
給料だけもらえればいい、では
幸せな働き方とは言えない。
そして価値観があまりにも違いすぎると
気持ちよい関係を築けない。
いい組織は、いい家族と、どこか似ている。

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澁江俊一 17年11月19日放送

171119-06

ドラッカーの言葉 リーダーたちへ

1909年の今日は、
経済学者ピーター・ドラッカーが生まれた日。

正解がない時代に
リーダーとして部下の前でどう振る舞うかは
企業のマネジメント層の
共通の悩みではないだろうか?

そんな悩みの答えとしては、
ドラッカーのこんな言葉をおすすめしたい。

 信頼するとは、
 リーダーを好きになることではない。
 常に同意できることでもない。
 リーダーの言うことが真意であると
 確信を持てることである。

好かれようとしすぎても
正しいことを言うだけでも
良きリーダーにはなれない。
さて、あなたの言葉は部下たちに
まっすぐ届いているだろうか。

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澁江俊一 17年10月15日放送

171015-02

ニーチェ 強さの奥にあるもの

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

神は死んだ。
このあまりにも有名で強烈な言葉だけで
ニーチェを遠ざけるのはもったいない。

ニーチェがこの言葉に込めたのは
神は死んだのだから
人間らしく生きようという
人生を肯定する希望のメッセージだ。

超人。
これもニーチェの強烈な言葉だが
みんながやるからやるという基準ではなく
どんなに意味のない世の中でも
妬みや、恨みを持たず
自分のルールで物事を判断すれば
前向きに生きられる、
そんな人間になれというメッセージだ。

どんな常識にも流されず
本質を深く深く掘り当てたニーチェの言葉は
情報が溢れすぎた現代に
生きていく勇気をくれる。

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澁江俊一 17年10月15日放送

171015-03
Huss Khzam
ニーチェ 価値の転換

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

キリスト教の「隣人愛」は
自分よりも他人を愛しなさいと教える。
しかしニーチェはどうすれば自分が
もっと快活に生きられるかを徹底的に考え抜いた。

そんなニーチェの人生は苦悩に満ちていた。
激しい恋の末の失恋。親友との決別と孤独。
精神が壊れるギリギリの状態を
苦しみ切ることでたどり着いたのは
よりよい人生を生きるための価値の転換だった。

自分はいつか人類に最大の贈り物をするんだ。
そう自負して出版した「ツァラトゥストラ」は
しかし、ほとんど見向きもされなかった。
世界が彼の言葉の真の価値に気づいたのは、
ついに精神を病んだニーチェの死後、半世紀以上後のこと。

 大きな苦痛こそ
 精神の最後の解放者である。

苦しみの底でも
希望を捨てなかった男の言葉は重い。

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澁江俊一 17年10月15日放送

171015-05
aftab.
ニーチェ ニヒリズムからの脱出

173年前の今日は、
哲学者ニーチェが生まれた日。

ニーチェは20世紀と21世紀を
ニヒリズムの時代だと予言した。
つまり2017年の私たちは
ニヒリズムの真っ只中を生きているのだ。

安楽がよい、冒険しない、憧れというものを持たない。
それがニヒリズムである。
あなたはどうだろう?
ニヒリズムに浸ってはいないだろうか?

何をしても無駄に思える。
すべてのものには価値がないと感じてしまう。
現代人も陥りがちなこの状況をどう克服して
自らの意志でささやかな幸せをつかみ
よりよい人生にするか。
それはニーチェが挑んだ大きなテーマだった。

真実の山では、
登って無駄に終わることは決してない。

と、彼は言う。
まず意志を持ち行動することが
ニヒリズムから抜け出す第一歩なのだ。

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