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奥村広乃 16年12月18日放送

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クリスマスソングと反戦歌

世界中で歌われるクリスマスソングには、
戦争の終わりを願う歌が多い。

ホワイト・クリスマスは
第二次世界大戦の最中につくられた。

スティービー・ワンダーのSomeday at Chirstmas
ジョン・レノンのHappy Xmas(War is over)
はともにベトナム戦争の真っ只中だった。

人類がサンタクロースに望む
最高の贈り物はきっと、
戦争のない世界だ。

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澁江俊一 16年12月18日放送

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クリスマスを変えた物語

チャールズ・ディケンズの
「クリスマス・キャロル」。

金の亡者であるスクルージが
クリスマスイブの夜の
不思議な体験をきっかけに
人を思いやる、やさしい人間に改心する。

富める者は、
貧しい者のために何ができるのか。

そう問いかけるこの物語が
産業革命当時のイギリスやアメリカで
広く愛されたことで、
廃れかけていたクリスマスは、
他者を思いやるための一日になった。

格差が広がり続けている今でも
ディケンズがくれた贈り物
「クリスマス・キャロル」は
世界中で読まれ続けている。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-01
ajari
中川李枝子のやさしさ

今日は、世界子どもの日。

 子どもはみんな問題児。

「ぐりとぐら」など、
長く愛される絵本を生み出し
保育園でたくさんの子どもを育てた
中川李枝子は、そう言い切る。

ほとんどの大人は、
自分は子どもの頃いい子だったと
言えないんだから、
自分の子も無理にいい子に
しようと思わなくていい。

問題こそ、かわいい。
そんな気持ちでもう一度、
子どもと向き合ってみませんか。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-02

無口だったアインシュタイン

今日は、世界子どもの日。

20世紀最高の知性。
アインシュタイン。

彼は5歳になるくらいまで
ほとんど言葉を発しなかった。
世界を言葉という記号でなく
全体で把握しようとしていた
とも、言われている。

そんなアインシュタインを
自然界に誘ったのは
5歳の頃、父がくれた方位磁針。

子どもの成長が
まわりと同じでなくたって
心配しすぎることはない。
その子はその子なりに、
世界と向き合おうとしているのだから。

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澁江俊一 16年11月20日放送

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岡本太郎と子どもの絵

今日は、世界子どもの日。

 幼稚園や小学校1,2年生の子どもが
 よくお日さまの絵を描きます。
 いったい丸にチョン、チョン、チョンと
 毛をはやしたようなもののどこに、
 太陽の実感があるのでしょうか。

1950年代に
子どもの芸術教育の主流だった
うまい絵を褒め称えることを
真っ向から否定した岡本太郎。

うまくなくても、
きれいでなくても、
どんどん描けばいい。
太陽らしいものじゃなく
自分が感じた太陽そのものを描く。
感情をまっすぐ絵にあらわす。
それこそが芸術なのだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-04

長新太の自由さ

今日は、世界子どもの日。

 小さな子どもの視点はすごい。
 僕はそういう人たちを相手に本を描いている。
 言ってみれば、先生に対して自分の絵を見せている。

そう語ったのは、絵本作家の長新太。
大人の常識からどんどんはみ出していく
自由すぎる絵と物語は、
徹底的に子どものために描かれていた。

意味はないけど、つい笑っちゃう。
そんな子どもの反射神経が、
大人にも、ときどき必要なんだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

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熊楠のエネルギー

今日は、世界子どもの日。

日本の植物学の巨人、南方熊楠は
子どもの頃、とてつもない記憶力で
神童と呼ばれていた。
しかしものすごい癇癪持ちで
怒ると手がつけられなかった。

4歳の頃、隣の家からもらった
1冊の植物の本が、
熊楠の人生を動かした。

エネルギーのすべてを
自分の興味にぶつけ、
7歳であらゆる百科辞典を書き写した。

大人は、年齢という壁を
子どもにつくってしまいがちだけれど、
知りたい気持ちに
壁なんか、いらないのだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-06

エジソンが子どもだった頃

今日は、世界子どもの日。

発明王エジソンは、子ども時代、
「1+1=2」と先生に言われても
「1個の粘土と1個の粘土を足すと、
大きな1個の粘土なのにどうして2なの?」
と質問して困らせたり、
なぜものが燃えるのかを知りたくて
藁を燃やしていたら、
自宅の納屋を全焼させたりするほどで
小学校さえ中退するほどの大問題児だった。

知りたいという気持ちが
強すぎることが問題になる。

そんな大人たちの世界が、
エジソン少年には窮屈すぎたのだろう。

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澁江俊一 16年10月23日放送

161023-05

応挙の幽霊

江戸時代の最高の絵師の一人で、
徹底した写実主義で知られる円山応挙。

目に映る風景を写実しながら、
輪郭線を使わない
独自に編み出した技法や
西洋の遠近法などを駆使して
目に見えないものまで描こうとした応挙。

彼が幽霊を描いた絵がある。
みだれ髪からのぞく
切れ長の目でこちらを
力なく見つめる美しい女。

儚げな白い着物をたどると
その脚は空中に消えていく。

病弱の妻を
想って描いたとされるこの幽霊は
後の世に脚のない幽霊の姿を広めた。

写生の達人だからこそ描けた
怖ろしさと美しさ。
応挙の妻への愛を感じながら、
見直してみたい。

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澁江俊一 16年10月23日放送

161023-08

ダリのミレー愛

夕暮れに向き合う夫婦。
畑の中、足元に置かれた籠の中の
わずかなジャガイモに
妻は祈りを捧げる。

「落穂拾い」で知られるミレーの
もうひとつの傑作「晩鐘」。
貧しい農民のひたむきな姿を
美しく描いた傑作だ。

ミレーの絵をこよなく愛した
画家のサルバドール・ダリ。
彼にはこの絵が
ふつうとは違って見えていた。

妻の足元に置かれているのは
赤ん坊を入れていた籠。
実はこの夫婦、亡くなった我が子を
土に埋めたばかりなのだ。

ダリの主張を聞いてから見ると、
ミレーの「晩鐘」が
まったく別の絵に見えてくる。
ダリの歪んだ愛をも受け入れる
この絵の懐の深さを、楽しみたい。

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