元号を選んだ国
今年は新たな元号が始まる年。
かつては中国や朝鮮半島、ベトナムでも
それぞれの元号が使われていた。
しかし今、元号を使用している国は
世界でも日本だけになった。
元号は決して便利なものではない。
使いやすさなら西暦がまさるだろう。
それでも日本は元号を使い続ける道を選んだ。
大化の改新、応仁の乱、
元禄文化、明治維新など…
歴史上の出来事を
元号と深く結びつけて語り継いできた日本。
元号はいわば日本にとっての
豊かな歴史の象徴なのだ。
元号を選んだ国
今年は新たな元号が始まる年。
かつては中国や朝鮮半島、ベトナムでも
それぞれの元号が使われていた。
しかし今、元号を使用している国は
世界でも日本だけになった。
元号は決して便利なものではない。
使いやすさなら西暦がまさるだろう。
それでも日本は元号を使い続ける道を選んだ。
大化の改新、応仁の乱、
元禄文化、明治維新など…
歴史上の出来事を
元号と深く結びつけて語り継いできた日本。
元号はいわば日本にとっての
豊かな歴史の象徴なのだ。
GGG
雪の名前
日本語には雨にも
いろいろ名前があるけれど
雪にもまたたくさんの名前がある。
細雪
粉雪
泡雪
名残雪
などの文学的な名前から
ざらめ雪
どか雪
しおり雪
など、積もりかたでついた名前。
こんこんと
しんしんと
はらはらと
など、降りかたの名前まで。
そのひとつで
覚えておきたい名前は、風花(かざはな)。
山などに降り積もった雪が風で飛ばされ、
晴れているのに小雪がちらつく様子。
からっ風で知られる群馬や静岡でよく見られる。
すぐに溶けてしまう、風に舞う白い花。
ぜひ一度見てみたい。
江戸の雪だるま
日本は雪の多い国。
日本人と雪には
昔から深いつながりがある。
江戸時代の雪だるまの形をご存じだろうか?
描いたのは江戸後期の浮世絵師、
歌川広景(うたがわひろかげ)。
これはとても貴重な文化資料だ。
その雪だるま、
人の背丈よりかなり大きく
あの赤いだるまと同じ形。
顔の前には魚などの
お供え物が置かれている。
どうやら縁起物だったようだ。
江戸時代の浮世絵には他にも
雪で大きなガマ蛙や仔犬を
つくる様子も描かれている。
子どもだけではなく
大人たちも楽しそうに
雪の中を動き回っている。
いつか溶けてなくなる雪で
愛らしい形をつくりだす。
雪と遊ぶ日本の粋な心がここにある。
食欲と落語
秋と言えば食欲の秋。
人間の「食べたい」という
抑えがたい欲望を見事に描いた
古典落語「千両みかん」。
病に倒れ、みかんを食べたいと願う
若旦那のため、真夏にも関わらず
探し回る番頭。
ようやくひとつだけ見つけた
腐っていないみかんには
なんと千両もの値がついてしまう。
それでも旦那はせがれを救うため
惜しげもなく大金を投じる。
念願果たした若旦那の
食べ残したわずかなみかんを
思わず持ち逃げする番頭・・・
笑いながら聞いているうちに
なんともみかんが食べたくなる、
粋な噺である。
Cea.
食欲と神様
秋と言えば食欲の秋。
食欲は性欲や睡眠欲と並ぶ
人間の根源的な欲求だ。
今でこそ食欲旺盛な人は多いが
かつて宗教は食欲を
良からぬものとみなしていた。
ブッダの言葉では
およそ苦しみが起こるのは、
すべて食料を縁として起こる。
諸々の食料が消滅するならば、
もはや苦しみの生ずることもない。
と断食を大切な修行の一つとするし、聖書にも
あなたが食欲の盛んな人であるなら、
あなたののどに短刀を当てよ。
と食べ過ぎをたしなめる。イスラム教では
ラマダンという断食の期間があるほどだ。
いつでも食欲を満たせるのは幸せなこと。
でもだからこそ、時には食欲を我慢してみると、
意外な悟りが開ける…かもしれない。
aron1937
食欲と進化
秋と言えば食欲の秋。
この食欲とどう向き合うかが、
人類の進化につながったという説がある。
サルはエサをはさんで向かい合うと
弱いほうが手をひっこめる。
強い者が独占する。それがサル社会のルールだ。
しかし類人猿は食物を分配する。
しかも弱いほうが強い方に
それをねだって獲得するのだ。
類人猿のルールでは
サルとは真逆の方向に食物が移っていく。
人間はもっと気前よく
相手と一緒に食べようとする。
だからこそ助け合う関係が生まれた。
こういう説を聞くと
人間って捨てたもんじゃないと思えてくる。
さて今夜は誰と、何を食べようか?
shiniwate.kouhou
食欲と昆虫
秋と言えば食欲の秋。
少しだけ未来の食欲の話をしよう。
今、新たな食料として昆虫が
注目されているのをご存知だろうか?
コオロギやバッタ、芋虫など
タンパク質や脂質が豊富で
必要な栄養を満たす昆虫は多いという。
しかもアンモニアやメタンガスを出す家畜より、
地球にダメージを与えにくい。
蜂の子やイナゴなど
日本ではもともと昆虫をよく食べていたから
心理的ハードルは、意外と低いはずだ。
この星の人口は今後も増え続け
いずれは食糧難も予測されている。
人類が昆虫を見る目も、変わるべき時かもしれない。
北斎と円
世界中の芸術家に影響を与えた
日本を代表する画家、葛飾北斎。
北斎が絵を描くときに使っていたのは
筆だけではない。
ぶんまわしと呼ばれる
竹で作られたコンパスを使って
いくつもの円を書きながら
北斎は絵の構図を決めていた。
最も有名な神奈川沖浪裏も
19の円を描いて構図を決めたとされている。
すべてのものはぶんまわしと
定規があれば書けるとも語っていた北斎。
何気ない風景の中にも
たくさんの円と線が見えていたのだろう。
北斎と白紙
世界中の芸術家に影響を与えた
日本を代表する画家、葛飾北斎。
彼が90回以上も
引越しを繰り返したことは
よく知られているが
自分の名前さえ30回も変えている。
北斎はその1つに過ぎない。
すべては絵を描くことに集中するため。
肉筆浮世絵や挿絵、版画、
人物画や春画や風景画、そして北斎漫画。
次々と新しい領域に挑戦し続けた北斎。
天があと5年の間、
命保つことを私に許されたなら、
必ずやまさに本物といえる画工になり得たであろう。
と言い残し、90歳で世を去った。
引越しや改名を何度も何度も繰り返すことで
自らを常に真っ白な紙のような状態にしながら
北斎は自分の理想の絵を
追い続けていたのかもしれない。
メキシコの死生観
今日はメキシコの独立記念日。
メキシコは
世界で最も自殺をしない国のひとつ。
日本と比べてもずっと少ない。
メキシコ人にとって、死ぬとは何か?
それを感じられるのが「死者の日」だ。
10月31日から11月2日までの3日間、
カラフルな骸骨の飾りが溢れる街を
顔にも骸骨のペインティングを施して
楽しげに練り歩く。
死者の魂がこの世に戻っている間に、
生きている家族や仲間とともに
交流を楽しむための日だという「死者の日」。
死を忌み嫌うことなく
いつも身近にあるものと考える。
それが生きている時間を
大切にできる秘訣かもしれない。
Copyright ©2009 Vision All Rights Reserved.