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たまごの話「岸田吟香の卵かけご飯」
炊きたてのご飯の真ん中に、
新鮮な卵を割りいれ、しょうゆをひとたらし。
あぁ、たまらない。
日本人が愛してやまない究極のシンプルフード、卵かけご飯。
最初に広めたのは、明治時代の新聞記者・岸田吟香と言われる。
岸田はかなりの冒険家だった。
突然記者を辞めたかと思えば、辞書を作ったり、目薬屋を始めたり。
生涯手がけた事業の数は、なんと10を超える。
型破りな性格の大男に、ついたあだ名は「奇人吟香」。
卵料理自体がまだまだ珍しかった時代。
卵を生のままご飯にかけるという発想は、
どれだけ斬新だったのだろう。
時代の一歩先を行く奇人のセンスがなければ、
卵かけご飯はこの世に生まれなかったかもしれない。