T.Kiya
100年の一滴 汀夏子
13歳のときに観た舞台が、将来を決める。
のちに汀夏子という名前を持つ少女は、
宝塚に人生の全てを捧げた。
お下げ髪をばっさりと切り、
おとなしかった性格も変わっていった。
初舞台を踏んで10ヶ月後には、準主役。
自分の実力よりも半歩先を求められる苦しさを、
彼女は長い間、受け止めた。
そのためだろうか。
ある舞台で沖田総司を演じたとき、
いつか死ぬなら彼のように死にたい、と漏らしたという。
宝塚歌劇は、今年で100周年。
汀夏子こそ、トップスターの中のトップスターだ。そんな声も多い。