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佐藤延夫 13年7月6日放送



俵万智さんの記念日6

歌人、俵万智さんの「サラダ記念日」が
出版されたのは、1987年のこと。

五・七・五・七・七
学生時代から書き溜めてきたという
愛のかたちや心の模様が、31文字の中で踊った。

あれから26年。
俵万智さんは、140文字のつぶやきも
毎日のように更新している。

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佐藤延夫 13年7月6日放送


shok
俵万智さんの記念日7

歌人、俵万智さんが、お母さんから教わったこと。

たとえば、料理。
もやしのひげ根は必ずとる。
カレーライスのタマネギは、甘みが出るまでゆっくり炒める。
お茶は最後のしずくがエッセンス。
見えないところの手間が大切。

台所に立つ母と娘は、いろんな話をした。
他愛のないうわさ、お父さんの愚痴、ちょっとした相談事。
湯気の立つお鍋の前だと、不思議に会話が弾んだそうだ。

みんなが忙しい毎日を送り、
コミュニケーションが不発に終わりがち。
そんな状況に手を差し伸べてくれるのが手料理であり、
家族みんなで囲む食卓なのかもしれない。

それもお母さんから教わったこと。

 肉じゃがの匂い満ちればこの部屋に誰かの帰りを待ちいるごとし

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/福沢諭吉

一万円札を見ると必ずそこにいるのは、福沢諭吉。
この肖像画は、56歳のときの写真を元に描かれた。

和服姿で一点を見つめる諭吉さんは、
真面目で、煩悩の欠片もなさそうに見える。
しかし、彼の若かりしころの写真が、
福沢諭吉という人物の真実を教えてくれる。

西洋風の机に頬杖をつき、けだるい顔でうつっているのは
オランダへ留学したときの写真。
アメリカ留学中には、
美しい少女とツーショット写真を撮っていた。

今日は、写真の日。
あなたらしい一枚を、残してください。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/プルースト

フランスの作家、マルセル・プルースト。
裕福な家庭に生まれた彼は、
華やかな社交界に出入りしながら
作家活動を続けていた。

美食家で、浪費家で、繊細な心の持ち主。

そんなプルーストが夢中になったのは、
当時、世の中に普及しはじめた写真だった。
いつしか熱狂的なコレクターになり、
自分の軍服姿の写真が欲しくて、志願兵として1年だけ軍隊に入ったという。

今日は、写真の日。
たまにはカメラをぶらさげて、出かけてみませんか。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/ニコライ二世

帝政ロシア最後の皇帝、ニコライ二世。

彼がまだ皇太子だった1891年、
日本に訪れた際、巡査に斬りつけられている。
大津事件の被害者として、
歴史の教科書でもおなじみの人物だ。

髭をたくわえ、冗談の通じなそうなニコライ二世だが、
こんなチャーミングな写真が残っていた。

パイプをくわえ、友人の背中に乗り
まるで飛行機のように両手を広げている。

今日は、写真の日。
カメラの前では、少々おどけたほうがいい。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/南方熊楠

博物学者、生物学者、民俗学者。
南方熊楠には、肩書きが多い。

それもそのはず、彼は、いわゆる天才で
本を読むだけで中身がすべて覚えられた。
この特殊な能力を、写真記憶というそうだ。

熊楠さん、実際の写真のほうもお好きだったようで、
たくさんの紙焼きを残していた。

アメリカ留学の前に撮影した一枚は、
ちょっと気取ってコートを羽織り、
フロリダの写真館では、紋付袴でカメラの前に立った。
日本に帰国してからも、故郷で、旅先で、
家族や仲間と、たくさんの写真を撮っていた。

写真記憶という頭の中の画像とは違い、
思い出の写真なら、いつまでもみんなの心に残り続ける。

今日は写真の日。
たまには昔のアルバムでも、めくってみませんか。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/田中光儀

日本人を撮影した最も古い写真は、
ペリーによって、もたらされた。

黒船に乗っていた写真家、
エレファレット・ブラウン・ジュニアがうつしたのは、
田中光儀(たなかみつよし)という男。
浦賀奉行所の与力で、ペリーとの交渉にあたっていた人物だ。

被写体となった田中さんは、緊張した様子で
浮かない顔をしているように見える。
もしかしたら、魂を抜かれるのでは、
と心配していたのかもしれない。

今日は、写真の日。
カメラの前では、なるべく、笑ってください。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/上野俊之丞

長崎の御用商人、上野俊之丞(うえのしゅんのじょう)は、
オランダから献上されたカメラで、一枚の写真を撮った。

モデルは、薩摩藩の第11代藩主、島津斉彬。

1841年の6月1日。この日が、
初めて日本人が銀板写真の撮影に成功した日として、
写真の日に制定された。

残念ながらその後、
日付が間違いであったことが判明した。
それでも写真の日は、6月1日のまま続いている。

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佐藤延夫 13年6月1日放送



写真の日/徳川慶喜

野心家なのか。
臆病者か。
策略家なのか。
それともただの優柔不断か。

江戸幕府、最後の将軍、徳川慶喜。
彼ほど評価の分かれる人物もなかなかお目にかかれない。

戊辰戦争で敗れ、新政府軍が実権を握ると、
慶喜公は、今の静岡県、駿府に移った。
そして彼は、趣味に生きた。
そのひとつが、写真だった。

清水の波止場、農民の姿、のんびり座る猫、鉄橋を走る列車。
舶来物の写真機を手に入れ、
自由気ままに被写体を探したという。

ただ時代が許してくれなかっただけで、
もしかしたらこれが、彼の望んでいた生き方だったのかもしれない。

今日は写真の日。
ファインダーの向こうに、何が見えますか?

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佐藤延夫 13年5月4日放送



みどりの日/レイチェル・カーソン

アメリカの生物学者、レイチェル・カーソンは言った。

 自然界の保全について、我々が慎重を欠いていたことを
 未来の世代は、決して許さぬだろう。

1962年に出版された「沈黙の春」。
この中で彼女は、世界中の人々に環境問題が存在することを訴え、
「環境保護の女神」と呼ばれるようになった。
そして、こんな言葉を残した。

 「知ること」は、「感じること」の半分も重要ではない。

今日は、みどりの日。
あなたの周りにある自然を、感じてください。

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