‘佐藤日登美’ タグのついている投稿

佐藤日登美 17年1月8日放送

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iamvhl
おとな ドラえもんのことば

ドラえもんがのび太にこんなことを言うシーンがある。

 おとなってかわいそうだね。
 (中略)
 自分より大きなものがいないもの。
 よりかかってあまえたり、
 しかってくれる人がいないんだもの。

ドラえもんがのび太に伝えたかったのはきっと、
お父さんもお母さんも一生懸命仕事をしていて、
のび太のことを想って叱ってくれているということ。

藤子・F・不二雄が描く「ドラえもん」にはときどき、
子どももおとなもハッとするようなことばが出てくる。

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佐藤日登美 16年12月31日放送

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出発 APPLE

スティーブ・ジョブズが興した、
一瞬フレッシュな果実を想像する会社:アップル社。
その社名の由来は諸説ある。

ジョブズが尊敬するビートルズが設立した会社名と同じだからとか、
社名を考えるときにジョブズがリンゴをかじっていたからとか。

そのひとつに、「APPLE(アップル)」が、
ジョブズがそれまで勤めていた「ATARI(アタリ)社」よりも
前に電話帳に載るから、という説がある。

事業がまだ始まっていないときでさえも、
ジョブズはライバルより一歩先に出ることを忘れなかった。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

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MIKI Yoshihito.
食欲の秋 さんま

詩人・佐藤春夫の代表作、「秋刀魚の歌」。
秋の味覚を謳っているが、実は哀しい恋の詩。

友人である谷崎潤一郎の妻・千代と恋に落ちた佐藤。
一度は妻を譲ると言った谷崎だったが、
突然気が変わり、佐藤と谷崎の仲は切れてしまう。

その後二人は和解し、佐藤は千代と結ばれるのだが、
それは20年後の話。

 ー男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 涙をながす と。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

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pelican
食欲の秋 ピェンロー鍋

妹尾河童の「ピェンロー鍋」をご存じだろうか。

干しシイタケを一晩水につけたダシに、
白菜・豚バラ肉・鶏モモ肉・春雨、そしてたっぷりの胡麻油を投入。
ぐつぐつと煮立て、塩と一味唐辛子だけで味わう。

くたくたになった白菜がなんとも美味しく、
ついつい紹興酒が進む。

シンプルな鍋だけに、ひとつでも工程を飛ばすと
この至福にはたどり着けない。
妹尾が言う通り、
「うんと寒くなって白菜がウマク」なってから、ぜひお試しあれ。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

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Johnson Wang
食欲の秋 金子半之助

天ぷら職人・金子半之助が「閻魔帳」と呼ばれたレシピ帳に遺した、
「秘伝の江戸前の丼たれ」。

このたれに合う天ぷらダネを見つけ出したのが、その孫、金子真也である。
天丼屋を開いた真也は、
敬意を表し、その店に祖父の名前をつけた。

季節の野菜、あなご、海老、半熟玉子。
さくさくの衣と、それに絡む至極のたれ。

それを味わいたくて、今日も「金子半之助」に人々は列をなす。

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佐藤日登美 16年10月9日放送

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4den
飛ぶ 失った右足

義足の走り幅跳び選手、マルクス・レーム。

彼が右足を失ったのは、14歳のとき。
ウエークボードの練習中に転倒。
隣を走るモーターボートのスクリューに足が巻き込まれ、
その三日後、足を切断することになった。

リハビリで入院していたため、15歳の誕生日は病院で迎える。

友だちからの励ましも受け、事故から1年経ったある日、
マルクスは義足をつけてのウエークボードに挑戦する。
そして彼は、再び水の上を跳んだ。
「前と同じ自分になりたい」という彼の願いが前進した瞬間だった。

マルクスが走り幅跳びに挑戦するのは、
もう少し先の話になる。

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佐藤日登美 16年10月9日放送

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飛ぶ 8メートル40センチ

義足の走り幅跳び選手、マルクス・レーム。

ウエークボードの練習中の事故で右足を失った彼は、
その5年後、初めて走り幅跳びと出会う。
事故の前からスポーツが得意だったこともあり、
すぐに走り幅跳びでも頭角を現す。

2009年にはIWAS世界ジュニア大会で優勝、
翌年には同じ大会で
走り幅跳びだけでなく、100メートル走・200メートル走でも優勝した。

そして2015年10月、マルクスは世界選手権で8メートル40の距離を跳ぶ。
それは、障害者走り幅跳びの世界記録を塗り替える記録だけでなく、
オリンピックを狙える距離でもあった。

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佐藤日登美 16年10月9日放送

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khaosproductions
飛ぶ オリンピックへ

義足の走り幅跳び選手、マルクス・レーム。

2015年、彼は8メートル40の障害者走り幅跳びの世界記録を樹立する。

それは、健常者が出場するオリンピックを狙うこともできる数字。
障害者スポーツの理解を深めるため、
彼はリオ・オリンピックへの出場を決意する。

しかし、障害者スポーツの記録としては好意的だった評価が、
オリンピックに、となると風当たりが強くなる。
義足が有利に働いているのではないかと疑われ、
「テクニカル・ドーピング」とまで言われた。
彼は、専門家とともに義足が競技に与える影響を示したが、
結局、時間的な問題もあり、リオ・オリンピック出場は諦めざるをえなかった。

そして、リオ・パラリンピックに出場したマルクスは
8メートル21の大会記録を叩き出し、金メダルを獲得した。

 障害の有無に関わらず、
 一流のアスリートのパフォーマンスは感動を与えることを証明したい。

そう語るマルクスが次に狙うのは、東京五輪だ。

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佐藤日登美 16年8月14日放送

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Travel Unmasked
旅 食べて、祈って、恋をして

「食べて、祈って、恋をして」
人生に迷った女性が、自分の思うがままに世界を旅し、
思うがままに食べて、祈って、恋をする物語。
ジュリア・ロバーツが主演したこの映画は、
作家エリザベス・ギルバートの自叙伝である。

彼女は、イタリアでピッツアとパスタとジェラートを心ゆくまで食べ、
インドで静かに瞑想し、
インドネシアで美しい海と、あたたかな人たちに出会う。

わがままと言われようとも、自分の気持ちに正直に、ひたむきに。
旅は、それを許してくれる。

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佐藤日登美 16年8月14日放送

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bortescristian
旅 ふわふわのオムレツ

海に浮かぶフランスの世界遺産、モン・サン・ミッシェル。
その名物に、ふわふわの特大オムレツがある。
19世紀、宿屋を営むマダム・プラールが始めたと言われている。

中世から、巡礼地として多くのひとが訪れていたモン・サン・ミッシェルだが、
そこまでの道のりは決して楽なものではなかった。
潮の満ち引きがはやく、海に飲まれて命を落とすひともいた。

そんな命がけの旅を終えた巡礼者たちに、
あたたかいごはんをお腹いっぱい食べさせてあげたい。
そう思ったマダム・プラールは、卵をたっぷりと泡立て、
あつあつのオムレツをふるまった。

旅人を癒してくれるのは、
いつの時代もおいしい料理と、地元のひとのやさしさだ。

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