キングの道具箱⑦「ドアを開く」
ドアを閉め、作品を書き上げたら、
作家が次にすべきことは何か。
それは、
ドアを開けること
つまり、人に見せることだ。
自分が心から信頼できる誰か。
スティーブン・キングはそれを、
理想の読者
と呼ぶ。
彼の場合は妻のタビサだ。
彼女の意見を聞くことでキングは、
読者の退屈や混乱を回避する。
しかしそれ以上に彼は、
彼の書いたものを読んで笑う
妻の顔を見るのが大好きなのだそうだ。
すべての小説は、
ひとりの人に宛てた手紙
と言われる。
世界で最も売れている小説家の一人、
スティーブン・キング。
彼は結婚して40年以上経つ今も、
世界一高価なラブレターを
妻に贈り続けている。