ブリア・サヴァラン①「稀代の美食家」
18世紀のフランスの法律家、
ブリア・サヴァラン。
優れた解剖学者であり、
文学者、人望の厚い政治家、
プロのヴァイオリニストでもあった彼を
最も有名たらしめたもの。
それは鋭敏な味覚をもつ食通としての顔だった。
彼は自らの豊富な食体験を
「美味礼讃」という一冊の本にまとめた。
これは料理本でも栄養学の本でもない。
食べるという行為と
それがもたらす幸福のすべてを、
科学的・哲学的に解明しようした
人間探求の書である。
彼は言う。
新しいごちそうの発見は
人類の幸福にとって
天体の発見以上のものである。
本当の幸せなんて意外と、
目の前にあるものです。