力道山③「空手チョップ」
もっと思い切り叩け
そう言って力道山は子供たちに、
木槌で自分の手を叩かせた。
硬くなった掌と怪力自慢の張り手。
相撲時代の得意技をプロレスに応用したのが、
トレードマークの「空手チョップ」だ。
厳しい修行を終え、
アメリカ巡業に出かけた力道山は、
その必殺技で勝利の山を築く。
260戦中、負けたのはわずか5回。
しかし最大の収穫は、
プロモーターの資格を手に入れたこと。
彼はアメリカのレスラーを
日本に呼べるようになった。
力道山はプロレスラーであると同時に、
有能なビジネスマンでもあった。