古今亭志ん生
五代目、古今亭志ん生。
高座に座る姿そのものが、一枚の絵であり、
落語である、と言われた名人。
彼はこんな言葉を残した。
他人の芸を見て、
あいつは下手だなと思ったら自分と同じくらい。
同じくらいだなと思ったら、かなり上。
うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。
「芸」という文字を「仕事」に置き換えると・・・
なるほど、と思う。
市川崑
ビルマの竪琴、野火、炎上、おとうと、
黒い10人の女、犬神家の一族・・・
長編映画だけでも70本を越える作品を残し、
短編やテレビ、CMに舞台と、
さまざまなジャンルで活躍した映画監督、市川崑。
2006年、その市川崑が、
犬神家の一族のセルフリメイク作を発表したときの、
記者会見の言葉がある。
もう少し長生きして、もうちょっとちゃんとした映画を作りたい。
90歳のこの謙虚さに
映画に対する執念を感じてしまう。