パンダのはなし パンダと伝説
どうもパンダという存在は、伝説と相性がいいようだ。
中国では古来から、
しばしば伝説の生き物・獏(ばく)と混同されてきた。
紀元前200年頃に編まれたという類語辞典
『爾雅(じが)』では、
「竹を食べる白黒模様をしたクマのような動物」のことを
獏と呼んでいたり、
「パンダの毛皮を寝具にすると、
未来を予知する夢を見ることができる」と、
獏の伝説がパンダの話として
信じられていたこともあったという。
そして時は移り、
1972年、上野動物園に、二頭のパンダが「来日」すると、
その日だけで5万6000人が集まるという
熱狂をもって迎えられ、
昨年も、上野動物園で初めて、
メスのパンダ・シャンシャンが生まれると、
日本中が再び、パンダブームで盛り上がった。
二千年以上ものあいだ、様々な伝説で
人々を惹きつける、パンダの最大の魅力。
それはきっと、白と黒のツートンカラー。
しかし、なぜパンダの体は白黒模様なのかは、
驚くことに、つい昨年まで、
きちんと解明されていなかった。