Miyuki Kobayashi
水で涼をとる日本
本格的な夏がやってきた。
江戸時代の日本人は、水を活かして涼を呼んだ。
当時、庶民の間でも親しまれていたのは打ち水。
玄関先や道に水を撒くことで、涼しい風を室内に呼び込んでいた。
これは、客を招くときに気持ちよく入ってきて欲しいという
おもてなしの意味を込めて、礼儀作法として行われていたそうだ。
室内ではたっぷりの水が入った鉢の中で悠々と泳ぐ金魚を鑑賞したりと、
水に囲まれて過ごしていた江戸時代の日本人。
自然の風や水を意識的に感じてみると、
現在の巣篭もり生活にも時代を超えて涼が吹き込まれる。