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岡安徹 12年12月9日放送



靴を集める人 イメルダ・マルコス

フィリピン共和国第10代大統領夫人、
イメルダ・マルコス。独裁者の妻として、
また驚くべき靴コレクターとして
その名を世界に轟かせた美女。

総数3000足と言われたコレクションは
壁一面のクローゼットを埋め尽くし、
ハイヒールから乗馬用ブーツまで
一生かかっても履ききれないほどを集めた。

ある時、華やかな生活を皮肉られ言われた
「3000足もお持ちとはさぞやご満足でしょう」と。

イメルダはこたえた。
「3000足なんて持っていません。1060足です」と。

一見、皮肉に言い返しただけとも思える一言。
しかしそこに、独裁者という悪名に隠された彼女の素顔が見えた気がする。

それは、靴の一足一足にまで愛着を持って接し、
人生を賭けて美を追究した健気ともいえる姿勢だった。

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岡安徹 12年12月9日放送



人を集める人 坂本龍馬

日本の歴史が大きく動いた、幕末期。
多くの若者が新時代の幕開けを期待し
動乱の渦中に身を投じていた時代。

居並ぶ傑人の中でもひときわ多くの者に影響を与え、
心を惹きつける男がいた。その名は坂本龍馬。

なぜ、龍馬の周辺には多くの人は集まったのか。
その答えに近づく言葉がひとつ残されている。

龍馬曰く
事は十中八、九まで自らこれを行い、
残り一、ニを他に譲りて功をなさしむべし。


花道を譲ること。
簡単そうで難しい、功名心にとらわれない生き方を貫いたからこそ
明治維新という険しい道の真ん中を、龍馬は歩いて行けたのもしれない。

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岡安徹 12年11月24日放送


Globovisión
ゴールを続ける人 リオネル・メッシ

世界最高のサッカー選手の一人、
リオネル・メッシ。

スペインのプロリーグ、リーガエスパニョーラ
でプレーするメッシは、今年これまでの
どのシーズンよりもゴールを決めてきた。

歴史が動いたのは、2012年11月11日。
今年76点目となるゴールを決め、サッカーの神様
ペレの持っていたリーガエスパニューラの
年間得点記録75点を抜いたのだ。

他の多くの選手で言えば7~8年分の得点を
1シーズンで獲得したことになる偉大な記録。

サッカーの神様をも鮮やかに抜き去り、
ゴールを続けて行くメッシ。

私たちは、歴史に残る選手の現役のプレーを
目の当たりにしている。

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岡安徹 12年11月24日放送



建築を続ける人たち サグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリア。
スペイン、バルセロナにあり、1882年の着工以来、
100年以上に渡り建造が続けられている教会堂である。
完成までに長い月日を要しているのには、理由がある。

建築家アントニオ・ガウディは、設計にあたって
いわゆる設計図をあまり描かなかった。
「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」
と、自然の中に最高の形があると信じていたガウディは、
数学や方程式を使わず、力学的な実験に基づいた
模型の作成を重要視し、それに従って壮麗かつ丈夫な建造物を
生み出していったのだ。

予想外だったのは、スペイン内乱で当時の模型や資料が消失してしまったこと。
その後は、時代ごとの職人が伝承や大まかな外観のデッサン等を元に、
ガウディの設計構想を推測するといった形で建設が進められている。

いつまでも続く、職人たちの創意工夫。
もはや、それもサグラダ・ファミリアの魅力の一部になっている。

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岡安徹 12年9月29日放送



乗り越えてゆく男/ウィンストン・チャーチル

その男、学校の成績は後ろから3番目。
1番目と2番目が病気等の理由で退学した後は、
実質ビリ。

そんな落ちこぼれが、やがて英国首相となり、
人々を牽引するなど誰が予想できただろう。
男の名は、ウィンストン・チャーチル。

チャーチルは、後にこんな言葉を残す

「あまり先を読みすぎるのは誤りである。
運命の鎖の輪は一つずつ扱われねばならない」

今が、自分の思い通りにならなくても、
いつか、望みが叶うように生きていけばいい。

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岡安徹 12年9月29日放送



乗り越えてゆく男 ② / ウィンストン・チャーチル

学生時代、成績の振るわなかったチャーチル。
同級生がラテン語やギリシャ語を習得しエリートの道を行く一方、
彼に外国語は難しすぎると、
母国語の英語のみを徹底的に学ぶようすすめられたという。

しかし、この劣等生としての処遇が、後に功を奏した。

社会に出て、実務において英語を操る必要性が高まるにつれ、
かつての優等生にひけをとらない筆力で、人の心に語りかけられるようになれたのだ。

チャーチルは言う

「未来のことはわからない。
しかし、我々が生きてきた過去が未来を照らしてくれるはずだ」

すべての出来事に意味がある。心に力が欲しいとき、そう思ってみませんか。

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岡安徹 12年9月29日放送



乗り越えてゆく男/ウィンストン・チャーチル

その男、学校の成績は後ろから3番目。
1番目と2番目が病気等の理由で退学した後は、
実質ビリ。

そんな落ちこぼれが、やがて英国首相となり、
人々を牽引するなど誰が予想できただろう。
男の名は、ウィンストン・チャーチル。

チャーチルは、後にこんな言葉を残す

「あまり先を読みすぎるのは誤りである。
運命の鎖の輪は一つずつ扱われねばならない」

今が、自分の思い通りにならなくても、
いつか、望みが叶うように生きていけばいい。岡安徹 12年9月29日放送

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岡安徹 12年6月23日放送


星玉
旅のはなし/山下清

裸の大将の愛称で親しまれた
貼り絵作家、山下清。

彼が全国を放浪し、旅先で見た風景を
驚異的な観察力と記憶力で貼り絵として再現したのは有名な話。

しかし、なぜ彼は放浪にでたのか。
当時、周囲の人がその理由を尋ねると
「兵隊にいくのがイヤだったから」と応えたという。

奇しくも、戦争に向かう国内情勢が山下清を放浪に導き
類い希なる芸術作品を誕生させたのだ。

旅の理由は、どこに転がっているかわからない。



旅のはなし/ジェームズ・クック

世は18世紀。大航海時代とよばれ
世界地図にまだ空白が多かった頃。
海の向こうに未開の大地があると信じ、
航海にでた船乗りがいた。
彼の名をジェームズ・クック。
後にクック船長として歴史に名を残す男である。

かれは卓越した航海術をもち、
当時ヨーロッパで伝説となっていた
オーストラリアへの上陸をはたし、
人類がまだ知らない世界地図の1/3を埋めた。

クック船長の航海日誌にはこう記されている。
「これまでの誰よりも遠くへ、それどころか、
人間が行ける果てまで私は行きたい」

いまだ世界の果てがあった頃、旅は希望そのものだった。



旅のはなし/ゲーテ

「人が旅をするのは、到着するためではなく、
道中を楽しむためである」 
と言ったのは、詩人ゲーテ。

ゲーテは、実に多くの恋をし、
多くの別れを経験した。

複雑な人間関係、葛藤、遂げられない思い。
身を焦がすような日々の末に訪れる別れを経験するごとに
人の心を惹きつける作品を生み出した。

成就しない恋も、その最中こそが醍醐味。
それは、人を魅了する旅と恋の共通点のひとつ。



旅のはなし/伊能忠敬

旅をするのに欠かせない、地図。

日本の地図が最初につくられたのは
江戸時代、伊能忠敬によるもの。

50歳を過ぎてから、地球の大きさを
測る子午線の長さを求めるべく私財を投じ
測量に出た。

その後幕府の後援をえて、驚くべき精度の日本地図を
作り上げるまで自分の足で歩きとおす。
その距離約4万キロ。
地球を一周してしまうほどの距離である。

想像を絶する偉業を成し遂げた忠敬は、
こんな言葉を残している。

「願望は寝ても覚めても忘れるな。どんなに状況が変化しようが、
一時も忘れずに心がけていれば、かならず事は成し遂げられる。」

何気なく見ていた地図には、目には見えない情熱が詰まっていた。

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岡安徹 12年3月25日放送


filtran
忘れてもいいこと/アインシュタイン

アルバート・アインシュタイン。
人類史上に名を残す科学者。

しかし驚くべきことに
アインシュタインは自宅の電話番号を記憶していなかったという。

「電話番号は覚えていないが、電話番号をメモしてあるノートは覚えている。」

必要なものだけを覚えておくために、
余計な物は覚えない。
だからこそ、大切な物が見つかりやすいのかもしれない。



忘れてもいいこと/アインシュタイン

大学での教鞭をとった経験もある、アインシュタイン。
そんなアインシュタインが、教育に関する
彼なりの理論を語った事がある。

学校で学んだことを、
一切忘れてしまった時になお残っているもの、
それこそ教育だ。

大切なことは、自然と残る。
それは、今を精一杯過ごせばよいのだよ、という
励ましに聞こえる。



忘れてもいいこと/アインシュタイン

高名な科学者となった後も、
一風変わった人物と言われることも多かったアインシュタイン。

例えば、靴下をはかないことや、年中同じ上着をきていること。
床屋に行かず、ボサボサの髪の毛でいることなど。

世間的に見れば常識と思えることを敢えてしなかった彼は、こんな
言葉を残している。

「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことだ」

常識とずれた行いも、アインシュタインによれば自然なこと。
靴下をはかなければ、破れた靴下を繕う妻の負担が減る。
一張羅でいれば洋服代がかからない。
髪を切る時間を、研究につかえる。

常識を忘れられる人は、
自分だけの新しいルールを見つけられた人なのかもしれない。

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岡安徹 11年12月17日放送



幸せを運ぶ男/メンデルスゾーン

結婚式では定番となった、
メンデルスゾーンの結婚行進曲。

もともとは、シェイクスピアの戯曲、
「真夏の夜の夢」に対して後年作曲された
劇付随音楽であることをご存知だろうか。

「真夏の夜の夢」の劇中では、
目を開けて最初に見た人を愛してしまうという魔法により、
男女の運命が翻弄される。

「結婚行進曲」が流れるのは、その魔法から解き放たれ
結ばれるべき者どうしが結ばれる結婚式の場面。

色んな恋を経験して初めて、真の愛が分かる。
そんなメッセージが聞こえてくるようだ。



幸せを運ぶ男/ヒュー・ヘフナー

プレイボーイ誌創刊者、ヒュー・ヘフナー。
85歳にして若い恋人をつくり続ける、
世界に名だたる正真正銘のプレイボーイ。

「プレイボーイとは別れ方が上手な男のことさ」
という言葉は彼のためにあるかのように、
破局を次の恋の始まりにしていく。

なぜ、彼はもてるのか。もちろん、地位や名誉も魅力のひとつ。
しかしなにより、若々しさというファッションで身を包んでいるからこそ、
若い女性とうまくいくのかもしれない。

一番最近別れた彼女は、60歳年下の25歳。
「僕より若い男達よ。じっとしていてはいけないよ」
そう、激励されているような気がする。

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