‘川野康之’ タグのついている投稿

川野康之 19年9月21日放送


Mango Projects
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
ニューヨークの街角で、道行く人のファッションを撮り続けた。
有名人だとか金持ちだとか関係なく、
ただ撮りたい人だけにカメラを向けた。
自分の服を着た普通の人々が、
写真の中でいかしている。
ニューヨーカーたちはビルのために
こぞっておしゃれをしたという。
彼は言った。
「最高のファッションショーはつねにストリートにある」

topへ

川野康之 19年9月21日放送


Steam Pipe Trunk Distribution Venue
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
トイレもキッチンもない部屋に住んで、
ネガを入れたキャビネットの隙間で眠る。
朝起きると自転車に飛び乗って街に出て、
一日中シャッターを切る。
仕事以外のことには無頓着で、
頭の中はファッションのことでいっぱい。
彼は言う。
「仕事ではなく、喜びだね」
自分の好きなことだけをして生きていたいと言う人は多い。
ビル・カニンガムは自分の好きなことだけをして生きていた。

topへ

川野康之 19年9月21日放送


CR Artist
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
トレードマークは青い上っ張り。
道路清掃人用の1枚20ドルの作業着を何枚も買って来て、
そればかり着ていた。
どんな服を着てもカメラとすれてどうせすぐに破れてしまうから。
食事はデリのサンドイッチですませ、
コーヒーは安いほどうまいと言う。
雨の日のポンチョはガムテープの継当てだらけ。
着飾った女性が大好きなのに、自分のことになると、
「質素で飾らないものがいい」
と言っていた。

topへ

川野康之 19年9月21日放送



ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
最初に手に入れたカメラは、
カメラマンの友人がくれた39ドルのハーフサイズカメラだった。
36枚撮りのフィルムなら72枚の写真が撮れる。
「ペンのように使え。メモを取るみたいに」
とその友人は言った。
その時以来片時も離れることなく、
カメラはビルの首にぶらさがっていた。

topへ

川野康之 19年9月21日放送


The Shared Experience
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
つねに街に身を置いて、自分の目で街を見つめていた。
そして街が語りかけてくるのを待った。
通り過ぎる人の人生の一部をそのまま切り取って、
自分の目が見た真実だけを伝えようとした。
ビル・カニンガムは言う。
「重要なのは感想じゃない。見たものを伝えることだ」

topへ

川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

今日6月8日は、ジョヴァンニ・カッシーニが生まれた日。
若い頃占星術に興味を持っていたカッシーニは、
後に天文学者になって、望遠鏡を手に土星の4つの衛星を発見した。
カッシーニの師匠の師匠はガリレオである。
ガリレオは初めて土星を望遠鏡で観察した先駆者であったが、
土星の環を見て「土星には耳がある」と言ったと伝えられている。

topへ

川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

カッシーニが土星の4つの衛星を発見してから300年後に、
「カッシーニ」と命名された土星探査機が打ち上げられた。
7年の航海を経て、カッシーニは土星軌道に到達した。
軌道上から捉えた一枚の写真がある。
漆黒の宇宙に美しい天体が二つ並んで浮かんでいる。
土星の衛星、レアとテティスだ。
ジョヴァンニ・カッシーニが300年前に望遠鏡で見つけた衛星である。

topへ

川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

探査機カッシーニは、13年間にわたって
土星を周回し、多くの発見をした。
中でも驚かせたのは、衛星タイタンの地表に湖や海があり、
雨まで降っているのを発見したことだ。
さらに衛星エンケラドスの表面からは
熱い水蒸気が吹き出しているのを発見した。
それらは土星の衛星に生命が存在する可能性を示唆するものだった。

topへ

川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

探査機カッシーニの最後のミッションはグランドフィナーレと呼ばれた。
土星の大気圏に突入し、大気のデータを集めながら自ら燃え尽きるというものである。
生命が存在するかもしれないタイタンやエンケラドスに
地球の微生物をもたらすことを防ぐためであった。
2017年9月15日、カッシーニは土星の空で流星となって消えた。
最後に送ってきた写真には、
上空の環と柔らかな光につつまれた土星の表面が写っている。

topへ

川野康之 19年6月8日放送



カッシーニ

ガリレオやカッシーニの時代から、多くの天文学者が望遠鏡を手に、
宇宙の星を見つめてきた。
一番近くにあるのは地球の衛星、月である。
月面の中で暗く見える平原を「海」と名付けたのは彼らだ。
北半球のやや左に広がるのが「雨の海」。
東の岸に小さな笑窪のようなクレーターがある。
「カッシーニ」と名付けられたクレーターだ。
満月の夜、望遠鏡を持って探してみませんか。
地球はあと10日で満月です。

topへ


login