NISSANEV
ひと休みしませんか? 「ベンチ」
愛媛県の松山駅から、
水色のディーゼルカーに揺られて、1時間。
下灘駅に降り立ったあなたは、
ホームに佇む青いベンチを見つける。
座れば、見渡す限りの瀬戸内海。
昼は紺青、たそがれ時は茜色に
染まる海を独り占めできる。
ああ、なんて贅沢な。
やっぱり人生には、ひと休みの旅が必要だ。
NISSANEV
ひと休みしませんか? 「ベンチ」
愛媛県の松山駅から、
水色のディーゼルカーに揺られて、1時間。
下灘駅に降り立ったあなたは、
ホームに佇む青いベンチを見つける。
座れば、見渡す限りの瀬戸内海。
昼は紺青、たそがれ時は茜色に
染まる海を独り占めできる。
ああ、なんて贅沢な。
やっぱり人生には、ひと休みの旅が必要だ。
ひと休みしませんか? 「一休さん」
あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。
でおなじみの一休さん。
子どもの頃は何も思わなかったこのセリフ、
大人になるにつれ、深く胸に響くものがある。
ちなみに、一休という名前の由来は、
師匠に言ったこんな一言から。
人生は、この世からあの世へ行く間のちょっとした休み時間。
雨が降ろうが風が吹こうが大したことじゃありません。
こんな時代だからこそ、
心の中に一休さんを棲まわせておきたい。
ひと休みしませんか? 「宇多田ヒカル」
突然のことだった。
音楽以外のことをして成長したいと、
宇多田ヒカルが
活動休止を宣言したのは2010年のこと。
結婚、出産を経て2016年に活動再開。
人間活動を経て生み出された曲は
驚くほどに深みを増した。
続けるためには、休みも必要。
肉体で音楽を生むアーティストの、
それは至極真っ当な決断だった。
ひと休みしませんか? 「ローマの休日」
映画、ローマの休日。
イタリアのローマを訪問したアン王女は
滞在先を抜け出し、
街でひとりの新聞記者に出会う。
初めての自由を感じながら、
髪をショートカットにしたり、
歩きながらジェラートを食べたり、
ベスパに二人乗りしたり。
身分違いの二人の、たった一日だけの恋。
別れは切ないけれど、
忘れられない休日のある人生は、幸福だ。
ひと休みしませんか? 「熟成」
熟成肉がブームになるずっと前から、
優れた食品加工技術として
「熟成」は、私たちの暮らしの中にあった。
冷蔵庫のない時代、
人々は乾燥させたり、塩漬けにしたりして、食品を保存した。
それを取り出して食べるとき、
風味や歯ざわりが変化していることに気づき、
もっと美味しく、もっと長く保存しようと工夫した結果、
さまざまな熟成食品が生まれた。
それらは現在の食卓を豊かにしてくれている。
そういえば、アイデアも寝かせるといいらしい。
催促されたら言い返そう。
熟成させているのだと。
carlfbagge
「ひまわり」について
夏の花、ひまわりの名前は、
「日が廻る」の意味で、
太陽を追いかけて成長することから来ている。
ひまわりは光が当たらない後ろ側が早く成長するから、
若い茎や咲きはじめたばかりの花は
光の向きに合わせて曲がる。
そして完全に開いたひまわりの多くは
東を向いているのだそうだ。
そんな生物学的根拠はひとまずおいておくとして。
ひまわりを見ていると、
明るい方を向いて生きようと思う。
「ひまわり」とインディアン
ひまわりの原産地は北アメリカ。
インディアンは紀元前3000年頃から
ひまわりを栽培して様々な用途に使っていた。
粉末状に砕いてお菓子やおかゆやパンにしたり、
他の野菜と混ぜて食べたりするのはもちろん、
茎を乾燥させて家を建てる材料にしたり、
塗り薬にしたり、
ひまわり油を髪や肌に塗ったりもしていたらしい。
インディアンにとって、
ひまわりは欠かせない資源だった。
「ひまわり」とゴッホ
花瓶に活けられた
ひまわりを描いた画家のゴッホ。
新天地の南仏アルルに移り住み、
後からやって来る友のゴーギャンを待ちながら描かれた
その絵には、希望に満ちたゴッホ自身が溢れ出ている。
実は当時のヨーロッパで黄色は裏切りを意味していて、
決してポジティブな色ではなかった。
しかし、そこはゴッホ。
そんな常識、まぶしい絵の具で塗りつぶしてしまった。
Irina Callegher
「ひまわり」とロシア
暑い国で咲く花、
というイメージがあるけれど、
ひまわりはロシアの国花だ。
生産量で世界一になったこともある。
極寒の地で、なぜひまわりが広まったのか。
宗教上の理由で油脂食品が禁じられていたロシア。
禁止リストに載っていなかったひまわりの種を
人々は自然と食べるようになったらしい。
鑑賞するだけではない。
ひまわりは生きるために必要な花だった。
「ひまわり」とギリシア神話
ギリシア神話にこんな物語がある。
太陽神アポロンと恋に落ちた水の女神クリュティエ。
心変わりしてしまった彼を
クリュティエは遠くから見つめ続けた。
9日9晩たったとき、その足は地面に根付き、
一輪のひまわりになっていたという。
そんな話を聞けば、ひまわりを見る目も変わる。
悲しいほどの情熱で太陽を向き、咲いている。
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