針のお話 針供養
今日2月8日は針供養の日。
針供養が行われるようになったのは、
家庭で針仕事をする人がふえた江戸時代。
この日は針仕事を休み、
使えなくなった針を寺社へ収めたり、
豆腐などの柔らかいものに刺して供養した。
ひとが柔らかい布団を好むように、
柔らかい場所でゆっくり休んでください、
ということだろうか。
いちど針に、豆腐の刺し心地を聞いてみたい。
針のお話 針供養
今日2月8日は針供養の日。
針供養が行われるようになったのは、
家庭で針仕事をする人がふえた江戸時代。
この日は針仕事を休み、
使えなくなった針を寺社へ収めたり、
豆腐などの柔らかいものに刺して供養した。
ひとが柔らかい布団を好むように、
柔らかい場所でゆっくり休んでください、
ということだろうか。
いちど針に、豆腐の刺し心地を聞いてみたい。
針のお話 釣り人
釣り人の代名詞である太公望は、
川で釣りをしていた太公望が、
通りかかった周の文王と語らううち気に入られ
家臣に迎え入れられた故事に由来する。
そのとき太公望はすでに80歳。
たまたま出くわしたわけでなく、
実はずっと機会を伺っていたようだ。
垂らした釣り針は真っ直ぐで、
釣り糸は水面に届いていなかったと言われている。
待ち続けた太公望は、
大臣の座、のちには一国の王の座を釣り上げた。
針のお話 針箱
イギリスの思想家、トーマスカーライル。
ある日ひとりの婦人が彼のもとに訪れた。
「家庭のことで気持ちが落ち着かないのです」
沈む表情の婦人にカーライルはこう答える。
「まずは、あなたの針箱を片付けなさい」
数週間後、再び訪れた女性は
晴れやかな表情でお礼を述べた。
「針箱を片付けたら、家の中も片付けたくなって、
気付いたら心の中も落ち着いていました」
人生の問題も、意外と身近なところに
糸口があるのかもしれない。
針のお話 ハリネズミ
恋をした二匹のハリネズミ。
お互い身体を近づけようとするが、
ハリが邪魔でうまくいかない。
それでも諦めず何度も近くうちに
二匹はちょうどいい距離を見つけられた。
というのが、いわゆるハリネズミのジレンマのお話。
相性というのは、ちょうどいい距離のことかもしれない。
針のお話 時計の針
時計周りという言葉があるように、
時計の針は世界共通、右回りと決まっている。
なぜだろう。
時計のルーツは600年ほど前に
エジプトでつくられた日時計。
地面に立てた棒の影が
太陽の動きとともに向きを変えるが、
北半球はそれが右回りなのだ。
時計が南半球で生まれていたら
時計の針は左回りだったかもしれない。
hemiolia
あの人の料理帖 森茉莉の“卵”
ウフ・ジュレにオムレット・オ・フィーヌゼルブ。
森茉莉のエッセイに登場する卵料理は、
声に出すと思わず口角が上がる。
卵の殻の表面から、
新雪に白砂糖、さらには上等な西洋紙や
フランスの仮綴じの本までを想像したり、
ゆで卵をつくる様子を、
「銀色の鍋の中に、透明な湯が泡をたてて渦巻いていて、
その中に真白な卵が浮き沈みしている」
なんて歌うように書ける人を、
私は茉莉のほかに知らない。
文字で味わう料理は、幸福と空腹をつれてくる。
食べるということは、
生きる喜びとどこか深いところでつながっているのだ。
あの人の料理帖 幸田文の“味噌”
「みそっかす」という随筆がある。
書いたのは幸田露伴の娘、文。
露伴はとりわけ文に厳しかった。
できのいい姉に比べて自分はみそっかす。
だから父に愛されないのだと、
文はずっと思っていた。
娘の思いを知った露伴はこんな言葉をおくる。
人には運命を踏んで立つ力がある。
代々伝わる行儀作法と家事の仕方のすべてを、
文に伝えようとしていた露伴。
厳しいながらも深い父の愛情に、文は気づく。
そういえば、味噌をこした後には、
芯の強いところが残る、
という話もある。
あの人の料理帖 歌川国芳の“海老天”
江戸の浮世絵師、歌川国芳は
多くの美人画を残した。
その一枚が「園中八撰花・松」。
松を背にした女性が手にするのは、
串に刺した海老の天ぷら。
江戸湾から揚がったものだろう。
庭見物の合間なのか語らいの最中なのか
視線を左に向け、
口元に手を添えている。
いたずらっぽく笑う姿が愛らしい。
次の瞬間こちらを向き、
胡麻油をたっぷり吸った衣を
サクサクかじるところまで、
こちらに想像させる。
食い気は色気。
生き生きと生きるちからは美しい。
甘 單
あの人の料理帖 土井善晴の“塩むすび”
60年以上つづくNHK「きょうの料理」に伝説の回がある。
土井善晴先生の「塩むすび」。
新米のおいしさやおむすびについて7分半語り、
そこから手に塩をつけ
おむすびを握った土井先生。
塩むすびだけで15分の放送をのりきったことに、
視聴者は拍手を送った。
塩むすびのポイントは二つ。
キレイに手を洗うことと熱々のご飯を握ること。
最後に土井先生は、
「大きさや形には、ばらつきがあっていいんですよ」
と主張した。
つい形にとらわれてしまうけれど、
大切なのは、食べておいしいかどうか。
料理は、生きることの基本を思い出させてくれる。
nolabwork
銭湯のおはなし「富士山」
銭湯の壁の絵といえば富士山。
はじめて描かれたのは大正元年のことでした。
東京の猿楽町にあった銭湯「キカイ湯」が
子ども達によろこんでほしいと絵師に依頼。
その絵師が故郷の富士山を描いたのがはじまりだそう。
日本を象徴する山で、信仰の対象、
見た目も美しく、何より縁起がいい。
まわりの銭湯もマネをして
銭湯の富士山はいっきに広まりました。
体温とともに気分も上々!
といったところでしょうか。
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