‘渋谷三紀’ タグのついている投稿

渋谷三紀 19年5月18日放送


Kris*M
あなたの知らない博物館の世界「失恋博物館」

出せなかったラブレター。
元カレからもらったぬいぐるみ。
ふられた日に履いていたハイヒール。
クロアチアの首都ザグレブにあるのは「失恋博物館」。
恋人が出て行った部屋の家具を壊した斧、なんて
物騒なものまで展示されています。
訪れた際はぜひお土産売り場に。
ふたりの思い出を消せる消しゴムや
別れたらセパレートできる便利な枕には、
失恋の痛手から立ち上がろうとする
人間のたくましさを感じてしまいます。

5月18日は博物館の日

topへ

渋谷三紀 19年5月18日放送


Andy Blackledge
あなたの知らない博物館の世界「海底美術館」

メキシコのリゾートカンクンには
海に潜って見る「海底美術館」があります。
海底に並ぶ400体の石像は、
表面にサンゴが生えていく
過程を含めて鑑賞するアート作品。
サンゴの保護を目的につくられました。
実はカンクンではサンゴの破壊が深刻。
美術館周辺に観光客を集めることで
周辺に生息する野生のサンゴを守っているのです。

5月18日は博物館の日

topへ

渋谷三紀 19年5月18日放送


Dust Mason
あなたの知らない博物館の世界「髪の毛博物館」

トルコのアバノスにあるのは「髪の毛博物館」。
博物館のオーナーが
ふられた女性に最後のお願いと
髪の毛をもらったことが
コレクションの始まりでした。
思い出の品として飾っていた髪の毛を見た別の女性が
「私の髪の毛もあげます」「私のも…」と、
髪の毛を寄付していった結果、
いつの間にか膨大なコレクションになったのです。
1979年には、世界一髪の毛を収集した博物館として、
ギネスブックにも登録されました。

5月18日は博物館の日

topへ

渋谷三紀 19年5月18日放送


Chris Devers
あなたの知らない博物館の世界「へたくそ博物館」

アメリカのマサチューセッツ州にあるのは、
その名も「へたくそ美術館」。
ある古美術商が、
ゴミ捨て場で一枚のへたくそな絵を拾ったことが
きっかけで生まれました。
へたくそ美術館の理念は、
ほかのいかなる場所でも展示されず、
真価を認められることのない作品を生み出した
芸術家の健闘を讃えること。
駄作の数々が、
才能なき芸術家たちの
かすかな希望になっているのです。

5月18日は博物館の日

topへ

渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 漱石、最後の恋

大正四年の春だった。
京都で療養中の夏目漱石は、
お茶屋の女将、磯田多佳と恋に落ちた。

「晴れたら梅を見に北野天満宮へ行きましょう。」
交わした約束は果たされることなく、
鴨川をへだてた祗園の多佳に向け、
漱石はこんな句を詠んだ。

春の川を隔てゝ男女哉

稀代の文豪にしては、
あまりにストレートがすぎる。
翌年、漱石はその人生に幕を閉じた。

topへ

渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 らいてう、理由なき心中

明治四十一年、
ある女性の捜索願いが出された。
平塚らいてう。
のちに女性解放運動家となる彼女。
栃木の塩原温泉に
森田草平といるところを発見され、
心中未遂として調べを受けた。

よくある男女関係のもつれかと思いきや
ふたりの間にそれはなく、
理由らしい理由も見つからなかった。

事態をおさめるため
森田の師である夏目漱石は二人に結婚を勧めたが、
その提案をらいてうは一蹴した。

ありきたりはいらない。
らいてうの中には一本通った筋があった。

topへ

渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 谷崎、妻を譲渡す

それは昭和五年のこと。
作家の谷崎潤一郎と妻の千代が離婚した。
そのまま千代は谷崎の友人佐藤春夫と結婚。
新聞はこぞって「細君譲渡事件」と騒ぎ立てた。

話は十年ほど前にさかのぼる。
すでに恋仲にあった千代と佐藤の結婚を
いちどは承諾した谷崎が、間際になり撤回。
激怒した佐藤は谷崎と絶交した。
その後佐藤は別の女性と結婚したが離婚し、
再び千代に心を戻した。
佐藤は谷崎に心から詫び、谷崎はそれに応じた。

妻を譲ったという単純な事件ではない。
それは、十年にわたる葛藤をへて、
三人が導き出したひとつの未来だった。

topへ

渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 恋多き女優、岡田嘉子の人生

大正八年、岡田嘉子は
新芸術座で初舞台を踏み女優となった。

座員の服部との間に一児をもうけるも、
俳優の山田と恋仲になった嘉子は、
山田の煮え切らない態度に対しある行動に出る。

映画「椿姫」で相手役を
つとめた竹内と失踪したのだ。
その後二人は結婚するが、
嘉子はまたも事件を起こす。

演出家の杉本と手をたずさえ、
樺太の国境を越えたのである。
駆け落ちと同時に亡命したふたりは、
別々の監獄に収監され二度と逢うことはなかった。
十年の服役ののち、
嘉子はソ連で再び演劇の仕事についた。

晩年、嘉子はある事実を知る。
杉本は亡命直後に、銃殺されていた。

topへ

渋谷三紀 19年2月9日放送



スキャンダル文学史 白蓮、恋の脱走劇

望まぬ結婚だった。
炭鉱夫から巨万の富を築いた伝右衛門に嫁いだ、
白蓮こと柳原燁子。
財はあっても文化的喜びのない暮らし。
それでも伝右衛門を愛そうとした
燁子の気持ちは、幾度も裏切られた。
自分は「華族出身の美人を嫁にした」と自慢したい
夫の道具にすぎないのだと悟ったとき、
かたわらには七つ年下の青年、宮崎龍介がいた。
龍介のもとに走り妻となった燁子は歌人として、
女性を救う活動家として息を吹き返す。

残された夫、伝右衛門の逸話も美しい。
「一度は惚れた女だから」と、
罪に問うことなく燁子を許したという。

topへ

渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-01

こたつの話 日本の家とこたつ

日本の冬の風物詩といえば、こたつ。
鎌倉時代に書かれた徒然草にも
「家は夏に合わせる」とあるように、
昔から日本の家屋は、
風通し良くつくられていました。
そのため、冬は部屋全体が温まりにくく、
冷たい空気が下に溜まって、
下半身を冷やしてしまいます。
床に座る日本の暮らしには、
こたつが理にかなっているのです。
たとえ下火になっても、
日本の冬からこたつが
絶滅することはない気がします。

topへ


login