‘渋谷三紀’ タグのついている投稿

渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-02

絵本のひと 五味太郎

絵本作家の五味太郎さん。
編集者にこんな質問をされた。
「五味さんは子どもたちに何を伝えたいですか?」
「特にありません。」
「じゃ、どうして描いたんですか?」
「おもしろかったから。」

子どもは教わりたいなんて思わない。
と、五味さんはいう。

小学生の頃、穴を掘るのに夢中で、
授業中も穴のことばかり考えていた五味さん。
あの日の気持ちのまま描いた絵本が、
おもしろくないはずがない。

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渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-03

絵本のひと 安野光雅

走るなメロス
と書いたのは、
絵本作家の安野光雅さん。

「走れメロス」のような
友情のための自己犠牲は、
物語として確かに美しい。
けれど、本当に正しいのか。

美談や教訓を疑う姿勢は、
戦争体験から来ているのだという。

生きることは単純じゃない。
書かれたことが正解じゃない。
自分の頭で考える自由は、
手放したくない。

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渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-04
ha-suha
絵本のひと せなけいこ

絵本作家のせなけいこさん。
ある日、同居する娘さんが
子どもをしかる様子に目を奪われた。

「そんな悪いことするなら、おおかみさん呼びますよ。」
受話器をとり、「もしもし、おおかみさんですか?」と演技をつづける。
子どもはたまらず「いやーん。ごめんなさい。」

その傍らでほくそえんでいた、せなさん。
後日、「おおかみのでんわ」という絵本を描いた。

真剣だからおもしろい。
どの家の子育ても、
世界に一編の物語だ。

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渋谷三紀 18年5月26日放送

180526-05
Vintage Japan-esque
絵本のひと 石井桃子

絵本なんて子ども向けでしょ。
なんて思っている人には、
絵本作家の石井桃子さんが色紙に書いた言葉を
読んでほしい。

おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。

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渋谷三紀 18年2月24日放送

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norihito
お鍋はいかが

鍋料理ほど新鮮な料理はない。
と言ったのは、かの北王子魯山人。

 材料が生きている。
 料理する者が緊張している。
 そして、出来立てを食べるのだから。
 と、つづける。

今晩、お鍋はいかがですか。

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渋谷三紀 18年2月24日放送

180224-02
typester
お鍋はいかが ちゃんこ鍋

四季を通じて、
相撲部屋で湯気を立てる、ちゃんこ鍋。

煮立った出汁に骨つきの鶏を入れ、
季節の野菜を加えて煮るのが一般的。

鶏を使うのには理由がある。
手をつかず二本足で立つ鶏が、
負けない力士の姿を連想させるからだとか。

その鍋は、お腹といっしょに、
闘志まで満たしてくれる。

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渋谷三紀 18年2月24日放送

180224-03
Yu Morita
お鍋はいかが すき焼き

作家の山口瞳が編集者だった頃、
ある小説家宅の食事に招かれた。

出されたのは、すき焼き。
よろこんだのもつかの間、
主人はいわゆる鍋奉行だった。

肉に箸をのばすと「それはまだ早い」。
またのばすと「出汁を足せ」。
そろそろかとのばすと「薄くなった。」と砂糖を入れだす。

ついにひとつの肉も食べられなかった山口。
その姿は、奉行の裁きにうなだれる
罪人のようだった。

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渋谷三紀 18年2月24日放送

180224-04

お鍋はいかが 鱈ちり

魚に性格があるとしたら。
作家の江國香織は、
こんなイメージを広げる。

鮭は優しくて、鰯は陽気。
かますは几帳面で、鯛はちょっと意地悪そう・・・

そして、鱈ちりを食べながら、
こんなことを考える。

私は鱈になりたい。
知性も品もあるし、
身がほどけるところもいい。

作家というのは、
舌の感受性も豊かなんだろうかと
うらやましくなる。

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渋谷三紀 18年2月24日放送

180224-05
lilyfan
お鍋はいかが 湯豆腐

随筆家の神吉拓郎が、
湯豆腐の魅力について書いている。

 立ちのぼる湯気。
 グツグツとたぎる音。
 豆腐の簡潔な白さ。
 何より、味の心配がいらないこと。

安心だったり、気やすさだったり。
わたしたちは鍋を囲んで、
そういうものに、
手を伸ばしているのだろう。

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渋谷三紀 17年11月11日放送

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Happy Sleepy
きょうのはなし「もやし」

ご存知ですか?
きょう11月11日は、もやしの日。

ひょろっとして体力のない子のことを、
もやしっ子っていいますよね。
あれ、まちがいです。
だってもやしは、
光の当たらない場所でも、
水と自分の栄養だけで育つ
つよい植物なんですから。
もやしは、もやしっ子じゃない!
スーパーの野菜売り場から、
もやしの叫びが聞こえませんか。

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