絵本のひと 五味太郎
絵本作家の五味太郎さん。
編集者にこんな質問をされた。
「五味さんは子どもたちに何を伝えたいですか?」
「特にありません。」
「じゃ、どうして描いたんですか?」
「おもしろかったから。」
子どもは教わりたいなんて思わない。
と、五味さんはいう。
小学生の頃、穴を掘るのに夢中で、
授業中も穴のことばかり考えていた五味さん。
あの日の気持ちのまま描いた絵本が、
おもしろくないはずがない。
絵本のひと 五味太郎
絵本作家の五味太郎さん。
編集者にこんな質問をされた。
「五味さんは子どもたちに何を伝えたいですか?」
「特にありません。」
「じゃ、どうして描いたんですか?」
「おもしろかったから。」
子どもは教わりたいなんて思わない。
と、五味さんはいう。
小学生の頃、穴を掘るのに夢中で、
授業中も穴のことばかり考えていた五味さん。
あの日の気持ちのまま描いた絵本が、
おもしろくないはずがない。
絵本のひと 安野光雅
走るなメロス
と書いたのは、
絵本作家の安野光雅さん。
「走れメロス」のような
友情のための自己犠牲は、
物語として確かに美しい。
けれど、本当に正しいのか。
美談や教訓を疑う姿勢は、
戦争体験から来ているのだという。
生きることは単純じゃない。
書かれたことが正解じゃない。
自分の頭で考える自由は、
手放したくない。
ha-suha
絵本のひと せなけいこ
絵本作家のせなけいこさん。
ある日、同居する娘さんが
子どもをしかる様子に目を奪われた。
「そんな悪いことするなら、おおかみさん呼びますよ。」
受話器をとり、「もしもし、おおかみさんですか?」と演技をつづける。
子どもはたまらず「いやーん。ごめんなさい。」
その傍らでほくそえんでいた、せなさん。
後日、「おおかみのでんわ」という絵本を描いた。
真剣だからおもしろい。
どの家の子育ても、
世界に一編の物語だ。
Vintage Japan-esque
絵本のひと 石井桃子
絵本なんて子ども向けでしょ。
なんて思っている人には、
絵本作家の石井桃子さんが色紙に書いた言葉を
読んでほしい。
おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。
norihito
お鍋はいかが
鍋料理ほど新鮮な料理はない。
と言ったのは、かの北王子魯山人。
材料が生きている。
料理する者が緊張している。
そして、出来立てを食べるのだから。
と、つづける。
今晩、お鍋はいかがですか。
typester
お鍋はいかが ちゃんこ鍋
四季を通じて、
相撲部屋で湯気を立てる、ちゃんこ鍋。
煮立った出汁に骨つきの鶏を入れ、
季節の野菜を加えて煮るのが一般的。
鶏を使うのには理由がある。
手をつかず二本足で立つ鶏が、
負けない力士の姿を連想させるからだとか。
その鍋は、お腹といっしょに、
闘志まで満たしてくれる。
Yu Morita
お鍋はいかが すき焼き
作家の山口瞳が編集者だった頃、
ある小説家宅の食事に招かれた。
出されたのは、すき焼き。
よろこんだのもつかの間、
主人はいわゆる鍋奉行だった。
肉に箸をのばすと「それはまだ早い」。
またのばすと「出汁を足せ」。
そろそろかとのばすと「薄くなった。」と砂糖を入れだす。
ついにひとつの肉も食べられなかった山口。
その姿は、奉行の裁きにうなだれる
罪人のようだった。
お鍋はいかが 鱈ちり
魚に性格があるとしたら。
作家の江國香織は、
こんなイメージを広げる。
鮭は優しくて、鰯は陽気。
かますは几帳面で、鯛はちょっと意地悪そう・・・
そして、鱈ちりを食べながら、
こんなことを考える。
私は鱈になりたい。
知性も品もあるし、
身がほどけるところもいい。
作家というのは、
舌の感受性も豊かなんだろうかと
うらやましくなる。
lilyfan
お鍋はいかが 湯豆腐
随筆家の神吉拓郎が、
湯豆腐の魅力について書いている。
立ちのぼる湯気。
グツグツとたぎる音。
豆腐の簡潔な白さ。
何より、味の心配がいらないこと。
安心だったり、気やすさだったり。
わたしたちは鍋を囲んで、
そういうものに、
手を伸ばしているのだろう。
Happy Sleepy
きょうのはなし「もやし」
ご存知ですか?
きょう11月11日は、もやしの日。
ひょろっとして体力のない子のことを、
もやしっ子っていいますよね。
あれ、まちがいです。
だってもやしは、
光の当たらない場所でも、
水と自分の栄養だけで育つ
つよい植物なんですから。
もやしは、もやしっ子じゃない!
スーパーの野菜売り場から、
もやしの叫びが聞こえませんか。
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