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渋谷三紀 17年11月11日放送

171111-02
andrewmalone
きょうのはなし「ピーナッツ」

ご存知ですか?
きょう11月11日は、ピーナッツの日。

1976年、ピーナッツが日本中を震撼させました。
ときの首相が逮捕されたロッキード事件。
つかわれた領収書に「ピーナッツ100個」と書かれていたのです。
検察の調べにより、
ピーナッツは100万円を意味する暗号だと
明らかになりました。
なんの罪もないのに、
昭和の犯罪史に名を残したピーナッツ。
なんともしょっぱい思い出です。

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渋谷三紀 17年11月11日放送

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きょうのはなし「靴下」

ご存知ですか?
きょう11月11日は、靴下の日。

日本で最初に靴下を履いた人物は、
「水戸黄門」でおなじみ水戸光圀公だといわれています。
水戸家の長持から7足の靴下が発見されたのは最近のこと。
上野の国立博物館に所蔵されているそうです。
おなじみのシーンで、
印籠にひれ伏す悪代官たちは、
黄門様の靴下を見つめているのかもしれませんよ。

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渋谷三紀 17年11月11日放送

171111-04
kanonn
きょうのはなし「きのこ」

ご存知ですか?
きょう11月11日は、きのこの日。

日本の秋の贅沢、まつたけ。
実は、まつたけをありがたがるのは、
日本人だけだといわれます。
スウェーデンでは「むかつくきのこ」
中国では「兵隊の靴下の匂い」と呼ばれるなど、
世界中で嫌われているのです。
日本人でなければ、
秋のたのしみがひとつ
減ってしまうところでした。

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渋谷三紀 17年11月11日放送

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Isadora Siqueira
きょうのはなし「まつげ」

ご存知ですか?
きょう11月11日は、まつげの日。

濃く、長く、くるんと上向きのまつげは
女性たちの憧れ。
メイクアップに欠かせないマスカラは、
スペイン語で“仮面”という意味。
「きれいになあれ。

マスカラは、女性が女性自身にかける
ひとぬりの魔法なのでしょう。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

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松本清張と珈琲

松本清張の代表作「点と線」には、
有楽町の喫茶店が登場する。
刑事の三原がコーヒーを飲みながら、
容疑者のアリバイ崩しに思考を巡らせる場面だ。

清張自身、自宅でも出先でも、
よくコーヒーを飲んだ。
スプーン三杯の砂糖を入れた、
甘いコーヒー。

これといった趣味を持たず、
膨大な仕事に立ち向かった清張にとって、
珈琲は、かけがえのない相棒だった。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-02

三島由紀夫と珈琲

作家の三島由紀夫は、
コーヒーよりも紅茶を好んだ。
深夜の執筆には、
いつも紅茶を準備した。

「夜会服」という三島の小説がある。
前半に描かれる優雅なアフタヌーンティとは対照的に、
最後に登場するのがコーヒーだ。

溺愛する息子との仲を割かれた姑が、
一人で飲むコーヒーの味についてこう語る。

「自分を助けてくれる人はもう誰もいない。
 なんとか一人で生きていかなければ、と言う味なのよ。」

三島にとってのコーヒーが、
その行間から透けて見える。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-03
jotpeh
中上健次と珈琲

活字になったものは
ぜんぶ喫茶店で書いた、
と語るのは、作家の中上健次。

行きつけだった西新宿の喫茶店に入ると、
まずコーヒーを注文する。
一口飲み、原稿を書き進めるうち、
店の音楽も客の話し声も聞こえなくなってくる。
その時の自分の心持ちを、中上はこう言った。

 人はいるが、誰もいない。私一人だ。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-04
zunsanzunsan
井上ひさしと珈琲

作家の井上ひさしは、
息子が幼い頃、
よく二人で散歩に出かけた。

おもちゃ屋さん、本屋さんを回った後は、
決まって喫茶店でコーヒーを飲んだ。

井上は、店主の個性が
そのまま店の雰囲気になっているような、
小さな店を贔屓にした。
その店で、お客さんを観察したり、
店主と話すのが好きだった。

井上作品の生き生きとした会話は、
そんなところから生まれたのかもしれない。

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渋谷三紀 17年8月19日放送

170819-05
Chris Campbell
茨木のり子と珈琲

詩人、茨木のり子。
毎朝、電動ミルで珈琲を挽き、
ケトルでお湯を沸かして、朝食に飲んだ。

のり子の書いた「食卓に珈琲の匂い流れ」という詩がある。
農家の納屋の二階に住んでいた戦時中に飲んだ
インスタントコーヒーの味を思い出し、
「豆から挽きたてのキリマンジャロ」や
「一滴一滴したたり落ちる液体の香り」をよろこぶのり子。
「やっと珈琲らしい珈琲がのめる時代」と綴った。

当たり前のように見えて、
当たり前ではない。
それは、しあわせの匂いだった。

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渋谷三紀 17年4月8日放送

170408-01

「悪妻」夏目漱石の妻(鏡子)

夏目漱石と妻、鏡子の出会いは、見合いの席。
歯並びの悪さを気にもせず、
ケラケラと笑う鏡子を、漱石は気に入った。

家事が苦手。朝も苦手。
朝食をつくらない鏡子は、
良妻賢母が当たり前の時代からすれば、
立派な悪妻。

「眠いものは眠い。嫌々やってもいいものはできない。」
そう口を尖らせる鏡子に漱石は、
「それも理屈だな。」と答えた。

並の神経では、
漱石の妻は務まらなかっただろうし、
漱石は漱石になれなかったかもしれない。

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