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石橋涼子 20年9月27日放送



旅立ちに贈る言葉  アインシュタイン

偉大なる物理学者アルベルト・アインシュタインは言った。

昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう。

今、世の中は、
新しい挑戦をしたいと願っても、
最初の一歩を踏み出しにくい空気かもしれない。
自宅にいる時間が増えると
毎日の変化だって減ってしまいがちだ。

それでも昨日と同じ今日は無いし、
今日と同じ明日はない。
アインシュタインだって、
昨日からの学びと、明日への期待を
日々、積み重ねて、
相対性理論から相対性宇宙論まで到達したのだ。

なによりも、
明日にどんな可能性が広がっているかを期待して
今日、何かに取り組む方が楽しいに決まっている。

新しい一歩を踏み出すために、
アインシュタイン博士から、もう一つの言葉。

何かを学ぶのに、
自分自身で経験する以上に良い方法はない。

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石橋涼子 20年8月30日放送



冷たい麺の話  風鈴蕎麦

江戸の町には、天秤棒を担いだ商人があちこちにいた。
「あさりぃ、しじみぃ」
「すし、鯛のすしぃ」
食材、料理から日用品まで様々な振り売りが、
掛け声とともに町中を売り歩いていた。

そして1700年代半ばになると
掛け声ではなく風鈴の音色で客を呼ぶ蕎麦屋が現れた。
「チリン、チリン」
担いで移動する担い屋台(にないやたい)に風鈴を下げ、
その涼しげな音で、夜食目当ての客を集めたという。

暑さがやわらぐ深夜まで営業した風鈴蕎麦は、
庶民の間で流行したという。

冷たい麺が食べたくなる季節、
気持ちも涼やかに、おいしいものをいただきたい。

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石橋涼子 20年6月28日放送



パフェの話  おうちパフェ

喫茶店やレストランの定番デザート、
パフェ。

始まりは明治時代の西洋料理だが、
昭和に入り、果物屋と喫茶店を兼ねた
フルーツパーラーの流行とともに、
日本独自のパフェに進化したと言われている。

チョコレートやプリン、シュークリームなど
お菓子がたっぷり載ったパフェもいいけれど、
季節の果物がきちんと入っていると
贅沢感が増しつつ罪悪感が減るような、
良い気分になるものだ。

パフェというと、お店で食べるイメージがあるが、
自宅時間が増えたことと、
SNSでの写真映えがすることから
おうちパフェも盛り上がりを見せている。

グラスに好きなものをデコレーションするだけだから、
家でつくるのは、想像以上に簡単だ。
子どもと一緒に楽しんでも良いし、
自分へのご褒美をギュッと詰め込んでもいい。

パフェには、つくる時間にも幸せが詰まっている。
今日、6月28日は、パフェの日です。

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石橋涼子 20年6月28日放送



パフェの話  プルースト効果

マルセル・プルーストによる文学作品
『失われた時を求めて』。
主人公が、マドレーヌと紅茶の香りに刺激を受け、
幼い頃を思い出すシーンから始まる。

これをプルースト効果と言うように、
食べ物の匂いと味は、人間の記憶にリンクしやすい。

さて、
冷たいアイスとフルーツと、生クリームと。
デザートの宝箱のような、パフェ。
あなたが思い出すのは、どんなパフェだろうか。

家族で出かけたデパートの最上階の、ご馳走の味。
友だちとおでかけした都会のオシャレなカフェの味。
古い喫茶店で食べた、缶詰のチェリーが載ったあの味。

いくつになっても贅沢で、憧れる存在のパフェ。
思い出さえも甘く刺激してくれる。
今日、6月28日は、パフェの日です。

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石橋涼子 20年5月31日放送


Gérard Janot
音楽の力 不眠のためのクラシック

ヨハン・セバスティアン・バッハによる
「アリアと種々の変奏」という曲がある。

この音楽は、とある不眠症の伯爵のために
作曲されたという逸話でも知られている。

伯爵が眠れぬ夜は、14歳のチェンバロ奏者
ゴルトベルクがこの曲を奏でたということから、
この曲は「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれるようになった。

残念ながら、
このエピソードは信憑性が低いといわれているが
一方で、
クラシックを聴くと心と脳がリラックスするという
研究結果は近年、実証されている。

気持ちが疲れた夜は、クラシックでゆったり一休み。
途中で眠ってしまったって良いじゃないですか。
さあ、音楽の力を、癒しの力に。

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石橋涼子 20年5月31日放送



音楽の力 宇宙を旅する音楽

1977年にNASAが打ち上げた宇宙探査機、
ボイジャー1号、2号には
黄金色のレコードが積まれている。

そこには地球の文明を伝える音や画像とともに、
様々な音楽が収録されている。
ベートーベンから、アボリジニーの歌、
セネガルの打楽器、日本の尺八まで。

ボイジャー探査機は、すでに太陽系を超え、
運が良ければ10億年先まで宇宙を旅すると言う。

今日、ラジオからお届けしている音楽も、
いつか宇宙の生命体と共有できるのかもしれない。
さあ、音楽の力を、繋がる力に。

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石橋涼子 20年4月26日放送



お風呂のはなし お風呂のことわざ

今日は26日、風呂の日。
昔から風呂好きが多い、日本人。
もちろんことわざだってある。

 湯の辞儀(じぎ)は水になる。

お辞儀と同じ漢字で、辞儀。
これは遠慮をする、ということ。

沸いたばかりのお風呂をすすめられて、
遠慮などしていたら
お湯が冷めてしまうという意味。

井戸から水を汲み上げ、薪で沸かした時代の風呂は
贅沢なもてなし。
ぐずぐずするのは失礼、という意味でもある。

追い炊きも手軽にできる現代ではあるが、
「お風呂湧いたよ」の言葉を聞いたら
面倒だとか後でいいとか思わずに
ありがたく頂戴しませんか。

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石橋涼子 20年4月26日放送



お風呂のはなし 身近な入浴剤

今日は26日、風呂の日。
たまには自宅のお風呂に入浴剤など入れて
ゆっくり長湯をするのはいかがでしょう。

入浴剤の歴史は意外と古く、
紀元前の中国ですでに記録が残っている。

日本でも、江戸時代には薬草を入れた薬湯(くすりゆ)が流行した。
端午の節句の菖蒲湯や、冬至のゆず湯のように
年中行事になっているものもあれば、
名産品のりんごやレモンを入れる変わり風呂が
有名な地域もある。

まだ入浴剤のない時代、
様々な植物を「入れるだけ」の季節風呂も
楽しまれたという。

試しやすいところでは、
みかんの皮、生しょうが、松の葉。
古来より愛用されているどくだみやよもぎ。
小袋に入れると後始末も簡単に済む。

お店に行けば品揃え豊富な入浴剤、
身近なもので試してみるのも楽しいかもしれない。

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石橋涼子 20年3月29日放送


Jonathan Baker-Bates
春野菜のはなし  春野菜がきた

春の訪れに気づくのは、どんな時だろうか。

梅の花が咲いて、桃も咲いて、
いよいよ桜もほころんでいると気づいた時だろうか。

ぽかぽかと温かい日差しを浴びて、
冬用のコートが重く感じたら。
春色の華やかな洋服を着たくなったら。

4月から始まる新生活を前にして
人々の表情が、ちょっと、前向きに見えたら。

もし、まだ春の予感を感じていない場合は、
スーパーマーケットに行くと良い。
春キャベツ、アスパラ、菜の花にフキノトウ…
この季節しか出会えない野菜たちが
みずみずしい春の訪れを告げてくれるだろう。

栄養たっぷり、生命力にあふれた春野菜を食べながら
季節の変わり目を楽しんでみませんか。

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石橋涼子 20年3月29日放送


Haragayato
春野菜のはなし  たけのこ前線

春が来て温かな日差しを感じると、
土の中からひょっこり顔を出す、たけのこ。

たけのこを漢字で書くと、竹冠に旬。
これは、一旬で竹になる、という意味で
たけのこの成長の早さを表している。

柔らかく甘みのある春のたけのこは、
収穫後もどんどん成長してえぐみが強くなるので
下処理は時間との戦いだ。

料理好きで知られる文豪の檀一雄は、
たけのこはとにかく掘った、食った、が良いと語る。
春になると、竹林の中に分け入って
掘り立てを焼いて食べるために東奔西走するという。

さすがに竹林で焼くのは難しいが、
とれたてのおいしさを求めて産地を訪れる人は多い。

日本の食卓で親しまれている孟宗竹は
2月下旬に九州で出回り始めて
3ヶ月ほどかけて東北に達する。

桜前線ならぬ、たけのこ前線だ。

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