わたしのはなし ヘルマン・ヘッセと内面性
わたしとは、なんだろう。
詩人でありノーベル文学賞作家でもある
ヘルマン・ヘッセ。
苦悩の多い人生からか、
わたしとは何か、を問いかけるような
文学作品を多く残している。
ヘッセは繊細で静かな文章で、
青春の悩みや人間らしい弱さを描いたが、
それはときに、悩める読者の希望となった。
書物というタイトルの詩で、ヘッセはこう語る。
君自身の中に、
君が必要とするすべてはある。
「太陽」も「星」も「月」もある。
君の求める光は、
君自身の内にあるのだ。
ヘッセの元には、世界中の悩める読者から
何千通もの手紙が届いた。
彼は、仕事の時間を割いて、
ひとつひとつに返事を書き続けたという。