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日本の「食」 小野二郎の手
東京、銀座にただずむ1件の鮨屋、「すきやばし二郎」。
世界中の食通が、このちいさな店に足を運ぶ。
主人の名は、小野二郎。
89歳になった今も変わらず、鮨を握り続け、
7年連続でミシュラン3つ星を獲得。
世界最高の鮨職人と評価されている。
頂上にいけば完璧かもしれないけれど、
その頂上はどこかと言うと、まだわからない。
この年になっても、自分が完璧な職人だとは思っていない。
ひたむきに技を磨くその様子は
2011年にはアメリカでドキュメンタリー映画となり、異例のヒットを納めた。
彼が鮨を握る上で大切にしていることのひとつが、「手」。
手で握る、にぎり寿司だからこそ、手そのものは仕事道具。
シミができないように、外出する時は常に手袋をするという徹底ぶりだ。
彼は言う。
そのときすしをにぎるわたしがジジイくさかったら、
すしが美味しく見えないでしょ。
日本一美味しい寿司は、
日本一寿司を愛する人の手からしか、生まれてこない。