篁(たかむら)
紅葉のはなし 秋の女神
秋を表す季語の中に、
お姫様の名前があるのはご存知だろうか。
その名を「龍田姫」。
秋の紅葉を司る女神と言われ、
はるか昔の奈良時代、五行思想にもとづいて
東西南北にそれぞれ女神を配したことに由来する。
秋は西にあたり、西に位置する竜田山が紅葉の名所であったことから
龍田姫は秋に紅葉をもたらす女神とされた。
緑の葉を真っ赤に染め上げる
龍田姫の仕事ぶりには今も昔も目を見張るものがあるようで。
古今和歌集で、在原業平はその見事さをこう詠んでいる。
ちはやぶる神世も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは