welshwitch36
香りの話 「ロードゥ イッセイ」
イッセイミヤケがはじめて手がけた香水、
「ロードゥ イッセイ」。
意味は、「イッセイの水」。
自立した女性が身に着ける香りは
水のようにクリアでありたい。
衣服を一枚の布として考える
イッセイならではのシンプルな思想が、
香りにも受け継がれている。
「ロードゥ イッセイ」が完成して、25年。
イッセイによってデザインされた香りは、
いまなお世界中の女性を、香りで応援し続けている。
welshwitch36
香りの話 「ロードゥ イッセイ」
イッセイミヤケがはじめて手がけた香水、
「ロードゥ イッセイ」。
意味は、「イッセイの水」。
自立した女性が身に着ける香りは
水のようにクリアでありたい。
衣服を一枚の布として考える
イッセイならではのシンプルな思想が、
香りにも受け継がれている。
「ロードゥ イッセイ」が完成して、25年。
イッセイによってデザインされた香りは、
いまなお世界中の女性を、香りで応援し続けている。
香りの話 「鉄の女」の香り
鉄の女、マーガレットサッチャーが愛用した香水は、
Penhaligon’s(ペンハリガンズ)の
「Bluebell(ブルーベル)」だと言われている。
香りの特徴はというと、
はじめにグリーン系のさわやかな香りがただよい、
しばらくするとヒヤシンスやジャスミンなどのフローラルへ。
最後はスパイスが、香り全体を引き締める。
甘くセクシーなわけでもなく、
かわいらしいわけでもない。
強く、重厚感のあるリッチな香りを選んだサッチャーから、
香りは女性にとって大切な意思表示のひとつであると
気づかされる。
涙のはなし 辻征夫のことば
めそめそしない!
そんなことで泣かないの!
そう言われて育つ子供時代があるからだろうか。
大人にとって、涙はちょっと恥ずかしくて
人に見られたくないもの。
そんな涙について、
詩人、辻征夫はこんな言葉を残している。
泣きたいときにはたくさん泣くといい。
涙がたりなかったらお水を飲んで、泣きやむまで泣くといい。
涙のなかには、ことばで説明できない想いがつまっているもの。
無理矢理止めないで、涙が出るだけ出してやる。
そんな表現方法が、気持ちを落ち着かせることだってある。
涙のはなし 涙のアート
今年の夏、東北の復興に捧ぐ芸術祭が
宮城県・石巻市で行われた。
国内外36組のアーティストが参加したこの芸術祭で
話題を呼んだ、ひとつのアート作品がある。
作品の名前は、「ひとかけら」。
制作したのは、アーティスト集団、チン↑ポム。
この作品は、現地の人々に震災の時の話を聞き、
話をしながら流した涙をあつめて凍結したもの。
作品自体は、牡鹿半島中部の洞仙寺に埋めた
冷凍コンテナの中にあり、地下まで階段を下りてはじめて
作品を見ることができる。
制作に至るきっかけとなったのは、遺族の言葉。
悲しみの涙はもういらないから
楽しいときに涙を流したい。
「ひとかけら」。その作品は、
涙は時に、前を向くために必要なものだと、教えてくれる。
青のはなし 荀子の青
孔子や孟子と並んで知られる儒教家、荀子。
孟子が性善説を唱えた一方で、
荀子は性悪説を唱えたことで知られている。
人間は本来「悪」である。だからこそ悪にそまらぬよう
努力や勉学が必要なのだ、と説くその言葉は、ことわざとして今でも用いられている。
青は藍より出でて藍より青し
藍草と青色の関係性を師匠と弟子にあてはめて、
学問や努力により持って生まれた資質を越えることができるという意味を持つ。
性善説か性悪説か。決着は未だつかないが、
もっと青く染まりたい。青くなってやる。
そんな想いや決意が人間をよりよいものに導いているのかもしれない。
christophe brocas
青のはなし イヴ・クラインの青
フランスの芸術家、イヴ・クライン。
単色でキャンバスを塗りつぶす「モノクロニズム」を代表する画家として
知られている彼は、なかでも青を好んで使用していた。
その青は、絵の具でもペンキでもない染料で、
「インターナショナル・クライン・ブルー」という名前で
特許が取得されている、いわば、彼だけの色。
彼が青にこだわる理由、それは
私たちを「物質的なもの」の束縛から解き放ち、
無限の宇宙へいざなってくれるかのような探い精神性に満ちている。
から。
34年という短い生涯でありながら、彼が残した青色は
今を生きるアーティストのキャンバスを彩り続けている。
John-Mark Kuznietsov
日記のはなし 森見登美彦の日記修行
小説家の森見登美彦は、
中学一年生の時から大学を卒業するまで、
1日1ページ日記を書くという習慣を自分に課していたという。
その量、10年間で大学ノート60冊分。
結局、小説だって、一番最初は自分が読む、自分に読ませる。
だから自分で読んで満足するようなものを書かないと
しょうがないと思うんです。
自分の文章がどんな具合か。
森見さんに倣って日記で見直してみるというのも
良い方法かもしれない。
日記のはなし せきらら蜻蛉日記
女流日記のさきがけと言われている蜻蛉日記。
作者は藤原道綱の母。
内容はと言うと、夫への不満、愛人への嫉妬…などなど。
彼女の身分では決して口に出せない男女に関する本音だらけ。
人にもあらぬ身の上まで書き日記にして、めづらしきさまにもありなむ
こんな身の上でも日記として書いてみたら、
なおのこと珍しく思われることだろう。
彼女の狙い通り、
せきららな告白が詰まった蜻蛉日記は
他の日記文学と比較しても珍しく、
いつの世も、人には言えない思いをしたためるのが
日記の醍醐味であることを教えてくれる。
ダンスのはなし 土方巽のことば
日本独自のダンスに、暗黒舞踏というジャンルがある。
確立させたのは土方巽だと言われているが、
彼はこんな言葉も残している。
自分の肉体の中の井戸の水を一度飲んでみたらどうだろうか。
ところが、みんな外側へ外側へと自分を解消してしまうのですね。
天を目指すバレエとは真逆に、
座り込み、床に転がり、身体全体で表現される土方の舞踏。
身体の奥底から絞り出されたその動きは、
土方の生き方そのものを表している。
図書館の話 冬眠図書館
18種類の架空の仕事と、その従業員のインタビュー集。
タイトルは、「じつは、わたくしこういうものです」。
この中に、一風変わった図書館が登場する。
なんでも、その図書館は冬の間だけ小さな森の中に夜通し開いていて、
お夜食としてコーヒーと、パンと、シチューがふるまわれるという。
司書は、そのシチュー当番を任される重要な役職だ。
冬眠図書館は
冬眠するように本を読むための図書館です。
誰にも邪魔されず一人、本の世界にこもる。
本好きの夢が、ここにある。
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