‘薄景子’ タグのついている投稿

薄景子 13年5月19日放送


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緑のはなし 新川和江

言の葉と書いて言葉。
新緑の季節、木々の葉たちは
みずみずしい言葉を舞い落とす。

詩人、新川和江は
そんな一枚の葉を
自分にたとえてこう詠う。

 誰のまねでもない
 葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を
 せいいっぱい緑をかがやかせて
 うつくしく散る法を
 名づけられた葉なのだから 考えなければならない

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薄景子 13年5月19日放送


山の旅人
緑のはなし 光野桃

女性の人生哲学を描くエッセイスト、光野桃。
かつての座右の銘は「努力」。
1ヵ月に30本もの締め切りを抱える日々に、
心も体も疲れ果て、
すべての仕事を捨て、何の計画もないまま
夫のいるバーレーンへ旅立った。

そんな光野の再出発は、帰国後、
母親の介護をのりこえた後のこと。

介護疲れのリハビリを兼ねて行った山で、
木々の緑や空のありのままの美しさに気づかされる。
もう成長しなくてもいい。自分は自分のままでいいのだと。

以来、著書やイベントで
読者を森へといざなうようになった光野は言う。

 人生の目的は 誰かに認められることでも
 何かを生みだすことでもなく
 今この時を愛し慈しむということ。

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薄 景子 13年4月21日放送



出会いのはなし アルプスの少女ハイジより

「アルプスの少女ハイジ」の中で
夕焼けがなぜ美しいかをきかれたおじいさんは
こう答えた。

 人間であろうと、何であろうと、お別れする時が一番美しいんだ。
 いま、太陽がね、地球からお別れをしているから、
 こんなにも、人の心を打つんだよ。

別れの季節の美しさは、
新しい出会いを輝かせる。
この春、きっとあなたのまわりでも。

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薄 景子 13年4月21日放送



出会いのはなし ジョンとポール

ジョン・レノンとポール・マッカートニーが
はじめて出会ったのは、10代半ばのとき。
教会のお祭りで、バンド演奏を終えたジョンのところに
ポールが近寄り、すごいテクニックでギターを弾いてみせた。

その運命的な出会いの前後、ふたりは最愛の母を亡くす。
荒れ狂うほどギターにのめりこみ、音楽の絆を深めていった。

 僕らふたりは同じような心の痛手を受け、
 それを克服しなければならなかった。

後にジョンは「マザー」で、ポールは「レット・イット・ビー」で
亡き母を歌った。

何かを乗り越える力が出会う時、奇跡は生まれる。

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薄 景子 13年3月10日放送



出発のはなし4 先人たちの言葉

芸術家、岡本太郎は言った。

 金と名誉を否定したところに、
 人間のほんとうの出発点がある。

哲学者、アンリ・ベルクソンは言った。

 どこまで行けるか、確める方法は唯一つ。

 すぐにでも、出発して、歩き始めることだ。

先人たちは教えてくれる。
すべての出発は、新たな自分への
旅立ちだということを。

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薄 景子 13年3月10日放送


colin.bischoff
出発のはなし6 植村直己

冒険家、植村直己。

「山はやめる」と妻に誓って
結婚したにもかかわらず、
「これは山じゃないから」と
子どものような言い訳をし、
生涯冒険家として、新たな目標へ旅立ちつづけた。

そんな植村が残した言葉。

 出発するとすぐ、帰ることばかり考えるんですよね。
 それがある一定のところまで進むと、
 もう引き返しのきかない状況までくるわけです。
 そこで初めて、先に進むことだけしか考えなくなるんです。

不安のない出発など、きっとない。
しかし、自分で踏み出す一歩一歩が、
やがてとてつもない力になる。

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薄 景子 13年2月3日放送


ruoshin
ユーモアの話 スヌーピー

子どもは1日300回笑うと言う。
大人になった私たちは、
1日に何回、心から笑っているだろう。

スヌーピーは言う。

 気が滅入るだって?
 きみの生活にはユーモアが足りないのかも。

そっか。笑い飛ばしちゃえばいいんだ。
大人だってみんな
昔は子どもだったのだから。

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薄 景子 13年2月3日放送


k14
ユーモアの話 加藤千恵

 泣きたいと 思っているのに 電話とか
 宅配便に ジャマされている

加藤千恵。
高校生歌人としてデビューして以来、
日常の心の揺らぎや、それが転じたユーモアを、
ありのままに謡い、短歌界に新しい風を吹かせる。

 まっピンクの カバンを持って 走ってる 
 楽しいほうが あたしの道だ

そんな自由なコトダマに
きょうもだれかがニヤリとなる。

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薄景子  13年1月20日放送


Marcin Wichary
夢のはなし アラン・ケイ

アメリカの科学者、アラン・ケイは言った。

 未来を予測する最善の方法は、
 それを創り出すことである。

かなえたい夢は、口に出してみる。
そして、具体的に動きだしてみる。

自分の未来を創るのは自分しかいない。
それが、科学者が裏づける夢の真実。

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薄景子 13年1月20日放送


kartellpeople
夢のはなし サン=テグジュペリ

世界中で、聖書の次に読まれている「星の王子さま」。
その冒頭で、作者のサン=テグジュペリは、
友人にこんな献辞を捧げている。

 大人は、だれも、はじめは子どもだった。
 しかし、そのことを忘れずにいる大人は、いくらもいない。

子どものころはあふれるほど持っていたのに、
大人になると、手放してしまう夢や空想の世界。
それをジュペリは、大人たちへ手紙を書くように物語にこめ、
同時に、生涯一飛行士として、空への夢を追い続けた。

夜の飛行で眺める美しい星空は、
眠ってみる夢よりも、
はるかにまぶしい現実世界だったにちがいない。

ジュペリは言う。

 夢をみることは奇跡だ。

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