薄組組長である薄景子さんは
子供時代に「落書き部屋」を持っていたらしい。
落書きをしてもいい壁がある部屋。
落書きでいっぱいになると
お父さんが新しいペンキを塗ってくれて
また壁は新しいキャンバスになる。
そんな落書き部屋を持つ子供がうらやましい。
つまり、Tokyo Copywriters’ Street の薄さんの原稿は
半分実話なのだ。
薄組組長である薄景子さんは
子供時代に「落書き部屋」を持っていたらしい。
落書きをしてもいい壁がある部屋。
落書きでいっぱいになると
お父さんが新しいペンキを塗ってくれて
また壁は新しいキャンバスになる。
そんな落書き部屋を持つ子供がうらやましい。
つまり、Tokyo Copywriters’ Street の薄さんの原稿は
半分実話なのだ。
あの人の食 秋山豊寛
「これ本番ですか?」
世界初の宇宙飛行ジャーナリスト、秋山豊寛が、
衛星から発した第一声は有名である。
彼が地上400kmから見た
青い地球は、まさに「命の塊」だった。
そんな秋山が、宇宙の次に選んだ旅先は、農業。
現在、福島県で米や椎茸などの有機農業を実践している。
彼は言う。
「人間が生物であることと、
いちばん身近にある仕事が、農業だ」
命の塊であるこの星の、命をつなぐ食べ物をつくる。
農業ブームとは一線を画す、生きものとしての営みに
ジャーナリストの探求の旅は、果てしなく続く。
あの人の食 佐藤初女
佐藤初女さんのおむすびを食べて、
自殺をとどまった青年がいる、という。
その理由は、「おむすびがタオルにくるんであったから」
彼女は、おむすびをにぎると、
ラップではお米が呼吸できないので
赤ちゃんをおくるみで包むように、
タオルでそっとくるんでおく。
そうして、「食」という命と
向き合っている。
標高400メートル、
岩木山の麓にひっそり佇む「森のイスキア」。
初女さんが「みんなのお家」と呼ぶここには、
声もしおれ、水さえのどを通らない人が、
心の重荷を下ろしにやってくる。
夜中にチャイムが鳴るときも
初女さんは身支度をして玄関にでる。
開けていいのか、一瞬の葛藤。
意を決して開ける扉は、彼女の心の扉なのだ。
受け入れられた旅人は、
やがて、ぽつりぽつりと言葉を発し、
初女さんのおむすびを食べ、
気づけば、自分で重荷を下ろして帰っていく。
佐藤初女、87歳。何をやっている人かときけば、
「食べることを大切にしています」
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