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薄景子 16年9月25日放送

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CCheminal
服のはなし サプールのファッション哲学

世界一おしゃれなジェントルマンとして
世界中から注目される、
アフリカ・コンゴの紳士集団、SAPEUR(サプール)。

内戦が続くコンゴにおいて、
「武器を捨て、エレガントに生きる」という哲学を
ヴィヴィットなファッションで体現する。

貧困生活の中、月収の数カ月分もの
ハイブランドを身にまとい、
カラフルなスーツで華麗なステップを踏む彼らは
街のアイドル。

装いだけではなく、エレガントな仕草も
彼らのルールのひとつ。
誰かに呼び止められたら一度回転して
後ろの手で「こっちに来い」と合図、
相手が合流するまでスローペースで歩く。
たばこの火を消す時も、軽いステップを踏む。

そんなサプールが
服に込めているメッセージは「平和」。
彼らは言う。

 無駄な争いで、服を汚したくないのさ。

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薄景子 16年7月31日放送

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KUHT
記録のはなし カール・ルイス

オリンピックが生み出した
陸上競技界の世界的ヒーロー、カール・ルイス。
4大会を通じて獲得したメダルは、
9個のゴールドを含む10メダル。
走り幅飛びでは、4連覇の偉業を達成した。

そんな数々の記録を生むために
カール・ルイスは、
日々どんなトレーニングに励んだのだろう。
彼はこんな言葉をのこしている。

 楽しいと思う方法でトレーニングせよ。
 ベストを尽くせば、誇りに思える。
 自分にとってのオリンピックで
 「達成感」という金メダルを勝ち取ろう。

それは、スポーツに限らず、
目標をもつすべての人にエールを送る言葉。
楽しむ、そして、ベストを尽くす。
そうすれば、結果は必ずついてくる。

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薄景子 16年6月26日放送

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s.sawada
童謡のはなし あめふり

 あめあめ ふれふれ かあさんが
 じゃのめで おむかい うれしいな

作詞、北原白秋、作曲、中山晋平、「あめふり」
この歌を口ずさむと、憂鬱な雨が
なんだかちょっと楽しくなる。

歌が発表されたのは、1925年。
当時はテレビの天気予報などなく、
空を見て自分で天気を予測した時代。

朝晴れていても、学校の終わりには雨が降りだす。
そんなとき、校門に傘をもって迎えに来る母親の姿は、
どんなに子どもたちをよろこばせたことだろう。
突然の雨は、親子でひとつの「じゃのめ」にはいれる
それはそれは幸福な時間だったのだ。

 ピチピチ チャプチャプ ランランラン

ほら、雨粒まで歌っています。

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薄景子 16年5月29日放送

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aes256
ペットのはなし 村松友視の愛猫アブサン

作家、村松友視には、
人生の伴侶ともいえる愛猫がいた。
その名は「アブサン」。
彼の直木賞受賞作『時代屋の女房』にも登場する猫だ。

知人が拾った野良猫を、村松が連れて帰り、
以来、アブサンは21歳で大往生をとげるまで、
村松夫妻とともに暮らした。

忙しい作家にとってアブサンは
自然体の生き方の師匠だった。
アブサン物語にはこんな一説がある。

 たとえば、廊下の陽の光が当るところで昼寝をしているアブサンは、
 陽の光が移るにしたがって少しずつ軀(からだ)をずらしている。
 つまり、陽の当っているところへと移動しながら眠っているのだが、
 これなんかもアブサンの手品のひとつに入れたい世界だ。

そんな愛猫の寝顔から、村松はこんな忠告を感じたという。

 あくせくした物書きなんて限界あるよ。

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薄景子 16年3月27日放送

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gmk
桜のはなし 佐藤良二の「さくら道」

太平洋と日本海を桜で結ぼう。
そんな夢を掲げ、名古屋と金沢をつなぐ長距離バス
名金線沿いに桜を植え続けた男、佐藤良二。

バスの車掌だった彼が桜に魅せられたきっかけは、
ダムに沈んだ村から移植された老桜が
奇跡的に再び花を咲かせたことだった。

ふるさとを失った人々が
桜の下に集まり、笑顔を取り戻す。その姿に感銘を受け、
佐藤は全長266kmのバス通りを「さくら道(みち)」にしようと決意する。

仕事の空き時間も、休日も、給料をもつぎ込んで、
バス停に1本ずつ桜の植樹をし続けた。
しかし、志半ばで病に倒れ、47歳でこの世を去る。
植えた桜は12年間で約2000本あまり。
その夢は同僚や家族、彼の志に共鳴する
多くの人々に受け継がれた。

そんな佐藤が遺した言葉。

 この地球の上に天の川のように美しい花の星座をつくりたい。
 花を見る心がひとつになって、人々が仲よく暮らせるように。

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薄景子 16年2月21日放送

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fs999
お酒のはなし フランソワーズ・サガン

フランスの小説家、フランソワーズ・サガン。
処女作『悲しみよこんにちは』が世界的ベストセラーとなり、
18歳にして莫大な富と名声を手に入れる。

その作品以上に注目を浴びたのが
彼女の破天荒な生き方だった。
桁違いのギャンブル、奔放な恋、
生死をさまよった事故、2度の結婚と離婚…。
その生涯は、愛と孤独に向き合うものだった。

そんなサガンがのこした言葉。

 昔は、人と知り合うためにお酒を飲んでいたものよ。
 今は、そういう人たちを忘れるために飲んでいるの。

お酒はいつでも、愛と孤独のそばにいる。

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薄景子 16年2月21日放送

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お酒のはなし ベンジャミン・フランクリン

アメリカ合衆国、独立の立役者、
ベンジャミン・フランクリン。

政治家としてだけでなく、
出版業者、文筆家、科学者、発明家など、
さまざまな分野で活躍し、
新聞の発行や、大学の創設、
雷が電気であることの証明など、多彩な業績を後世にのこした。

そんな彼が愛したのがワイン。
量こそは飲まなかったというが
酒の理解者として、数々の名言をのこしている。

 ワインの中には知恵がある。ビールの中には自由がある。

なるほど、フランクリンの有り余る好奇心は
酒を飲みながら熟成されたのかもしれない。
さらには、こんな言葉も。

 神が人間の肘を今の位置につくったからこそ
 グラスがちょうど口のところに来て楽に飲めるのだ。

ちょっと強引だが、神の仕業といわれたら、もう飲むしかないだろう。
そして、さらにはこんな名言も。

 酒をおいしく飲めないところに良い人生もない。

フランクリンの愛すべき屁理屈は
きょうも誰かの一杯を、きっと幸せにしてくれる。

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薄景子 16年1月24日放送

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Olof S
北欧のはなし 皆川明

北欧の物語を感じさせる
テキスタイルファッションブランド、
「ミナ ペルホネン」。

そのデザイナー、皆川明は、
初めてスウェーデンを訪れた時、
ショーウインドーのシャツに強くひかれて
一軒の店に立ち寄ったという。

絵画のように美しい色に染められた、麻や綿のシャツ。
店の向こうのアトリエで、ミシンをかける女性。
目の前で確かに作っているシャツが、
やがてウインドーに飾られる、その一着の大切さ。

そんな鮮やかな感動を、
自分の店の中にカタチにしたいと強く思った。

都会の中に緑と空を感じる、初の直営店には、
皆川が旅の中で見つけた物語のあるモノが置かれ、
旅で出会った感情が布の中に刻まれる。

彼は言う。

 これからも少しずつ、
 旅のカケラを置いていこうと思っている。

その思いはきっと、ミナの服を着る人々の心を
遠くのどこかへ、連れていってくれる。

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薄景子 15年12月27日放送

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掃除のはなし NYを変えたデヴィット・ガン

掃除。それは、環境を整えるだけでなく
人の心理や行動を変える偉大な力がある。

1980年代のニューヨークの犯罪件数を
激減させたのが、まさにこの掃除だ。

当時、地下鉄公団の総裁だったデヴィット・ガンは
地下鉄車両の落書きを徹底的に消すという対策を打ち出した。

すべての落書きが消された後、
増加する一方だった犯罪件数は90年代に激減、
年に60万件以上起きていた
地下鉄の重罪事件は75%も減ったという。

掃除は人の乱れを正し、心を磨いてくれるのだ。

来年の良い運気を願うなら、
今年の大掃除はいつもより気合をいれてはどうだろう。

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薄景子 15年11月8日放送

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夫婦のはなし 手を握る

女性のストレスは、夫の手を握ることで軽減される。
そんな研究結果がバージニア大学の
ジェームズ・コーン博士らによって発表されている。

この研究によれば、幸せな結婚生活を送る女性が、
ストレスを感じた際に夫の手を握ると、
ストレスが即座に解消されることが、
脳のスキャンではっきりと示されたという。 

コーン博士は、夫の手を握ることが
女性のストレスの程度に与える影響の大きさに驚いたと話す。

街で手をつなぐ老夫婦を見かけると
幸せな気持ちになるのは、
ストレスを癒す手のぬくもりの
おすそわけかもしれない。

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