音楽と人 バッハと国王
1745年、オーストリア王位継承戦争が集結すると、
プロイセン国王フリードリヒは宮廷に62歳のバッハを招いた。
バッハが到着すると国王は
「皆の者、老バッハが参ったぞ」と叫び、大いに歓迎し、
ピアノの演奏をバッハに依頼した。
国王の求めに応じて、バッハはみごとな即興演奏を披露した。
素晴らしい演奏に、その場にいる誰もが息を呑んだ。
のちにバッハは演奏を楽譜に起こし、
あらたに書き下ろした曲とともに国王に贈った。
バッハ最晩年の傑作『音楽の捧げもの』は
こうして出来上がった。