時の記念日 陛下の時計
スイスのある時計メーカーの顧客リストを見ると、
ヴィクトリア女王、ワーグナー、アインシュタインなど
そうそうたる名前が並ぶ。
しかし、日本のメーカーも負けてはいない。
昭和2年、
ある晩餐会でひとりの紳士が陛下に舶来の時計を自慢したところ、
陛下はズボンの右ポケットから懐中時計を取り出し、
国産品だけれども、とてもよく合うとおっしゃった話が
伝えられている。
その時計の値段は12円50銭だったそうだ。
今日は、時の記念日。
時の記念日 陛下の時計
スイスのある時計メーカーの顧客リストを見ると、
ヴィクトリア女王、ワーグナー、アインシュタインなど
そうそうたる名前が並ぶ。
しかし、日本のメーカーも負けてはいない。
昭和2年、
ある晩餐会でひとりの紳士が陛下に舶来の時計を自慢したところ、
陛下はズボンの右ポケットから懐中時計を取り出し、
国産品だけれども、とてもよく合うとおっしゃった話が
伝えられている。
その時計の値段は12円50銭だったそうだ。
今日は、時の記念日。
Mr.ちゅらさん
ひらめき 安藤百福
日清食品の創業者、安藤百福が1958年に開発した
「チキンラーメン」にはこんなエピソードがある。
インスタントラーメンの商品化に必要な長期の保存性と、
お湯を注ぐだけで食べられる利便性。
そのふたつを実現するために安藤は試行錯誤を重ねたが
どうしてもうまくいかない。
ある日、妻が台所で天ぷらを揚げる姿を見て、
安藤は麺を揚げることを思いついた。
試してみると、乾燥状態となった麺は保存がきくようになり、
お湯もよく吸収するため、数分で柔らかくなるようになった。
のちに安藤百福はこんな言葉を残している。
発明はひらめきから。ひらめきは執念から。
執念なきものに発明はない。
ひらめき 藤本弘
ドラえもんの生みの親、藤子・F・不二雄こと藤本弘。
しかし、その誕生には途方もない苦しみがあった。
新連載の締め切りが迫っていた1969年11月。
作品の構想が浮かんでいないにもかかわらず、
藤本はアイデアがすぐに浮かぶ便利な機械を空想したり、
ドラネコのノミ取りなどをしたりと無駄に時間を過ごしていた。
そして締め切りの日の朝、絶望しながら階段を駆け下りたところ、
娘のおもちゃの起き上がりこぼしにつまずき、
その瞬間「ドラネコと起き上がりこぼし」が結びついた。
ダメな人間を機械が助けるというストーリーも
自分の姿に重ね合わせてその時ひらめいたという。
dominicotine
ひらめき 仲畑貴志
1980年代のコピーライターブームを牽引し、
今なお広告の第一線で活躍するコピーの神様、仲畑貴志。
「おしりだって、洗ってほしい。」
「ココロも満タンに」
「一緒なら、きっと、うまく行くさ。」
記憶に残るコピーを数多く生み出してきた天才にも、
コピーがひらめかない時はあるのだろうか。
かつて仲畑貴志はあるウイスキーの広告でこんなコピーを書いている。
いいコピーが、スッカラカンに書けない時は、
軽く飲んで、早く寝るしかないなあ。
恐れ入りました。
dick thomas johnson
壁を越える ヒュー・ジャックマン
ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。
撮影前、最後の練習の前日、
主演のヒュー・ジャックマンは鼻の皮膚癌の治療のため、
80針を縫う手術を行なった。
医者からは歌うことを固く禁じられた。
翌日、練習が始まる前に「今日は歌えない」と
メンバーに宣言したヒュー・ジャックマン。
しかし最後の曲で冒頭部分を歌ったところ、
気がつくと最後まで熱唱していた。
歌いだしたらやめられなくなってしまったんだ。
その後縫い直してもらったんだけど、
医者からはすごく怒られたよ。
主演俳優の映画にかける思いが
まちがいなく映画制作の推進力になった。
Photo by Mike Benna on Unsplash
壁を越える 村上春樹
村上春樹のエッセイ「ランゲルハンス島の午後」は、
中学一年の春、生物の最初の授業で教科書を忘れ、
自宅まで取りに帰された出来事が綴られている。
教科書を持って学校に戻る途中、
公園で一息つこうとした村上少年は春の匂いに誘われて、
そのまま芝生に寝転んでしまう。
頭の下に敷いた生物の教科書からも春の匂いがした。(中略)
まるで春の渦の中心に呑みこまれたような四月の昼下がりに、
もう一度走って生物の教室に戻ることなんてできやしない。
1961年の春の温かい闇の中で、僕はそっと手をのばして
ランゲルハンス島の岸辺に触れた。
人は時にはさぼってもいいんだよ。
村上春樹がそう言っている気がする。
tokyoform
壁を越える 山口瞳
今日で4月もちょうど半分。
新社会人の中には壁にぶつかっている人がいるかもしれません。
元サントリーの社員で、直木賞作家でもある
山口瞳さんはかつて新社会人に向けて
こんなメッセージを寄せています。
失敗したらどうするか。
クヨクヨせずに、朗らかに、キッパリと、
あやまって廻りたまえ。
書く申す僕だって、何度かそれをやってきた。
(陰の声。いまでもやっているよ)
諸君!この人生大変なんだ。
人生の大先輩の言葉が背中を押してくれる。
ArtBrom
壁を越える イチロー
2017年、アメリカのCBSテレビ系のローカル局RHV11が
スポーツ界で人種の壁を破った15人を発表し、
15番目にイチローの名を挙げた。
その理由として同局はこうコメントしている。
「日本人選手でイチローほど成功した選手はいない。
彼は年間最多安打記録を更新し、10年連続で200安打を記録した。
日本人選手がメジャーリーグで活躍できないということを
イチローは反証した」
そのイチローは壁についてこんな言葉を残している。
壁というのは、できる人にしかやってこない。
超えられる可能性がある人にしかやってこない。
だから、壁がある時はチャンスだと思っている。
お金 デヴィッド・グレーバー
貨幣はどのようにして生まれたのか。
アメリカの文化人類学者デヴィッド・グレーバーの研究によれば、
貨幣が生まれたのは紀元前約3000年のメソポタミア、シュメール文明。
貨幣は官僚によって発明され、都市に貯蔵される資材の管理や
物資のやりとりに使われた。
そして、その貨幣は金属ではなく、粘土板に刻まれた印だったという。
グレーバー教授はこう語る。
物々交換から貨幣が生まれたのではない。
わたしたちがいま「仮想通貨」と呼んでいるものこそが最初にあらわれ、
硬貨はそれよりはるかにあとに出現したのである。
お金 カネゴン
子ども向けの特撮番組「ウルトラQ」の脚本家山田正弘と
怪獣デザイナー成田亨が生み出した怪獣「カネゴン」。
頭はガマ口で口にはファスナー。
体は10円玉のような銅の色。
胸にはレジスターのカウンターがついていて、
食べたお金がカウントされていく。
カウンターがゼロになると死んでしまうため
絶えずお金を食べ続けている。
「ウルトラQ」の放送が始まったのは
高度成長時代真っ只中の1966年。
大人だけでなく子どもまでもが
お金お金と口にするようになった世の中に対する風刺から
怪獣カネゴンは生まれたという。
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