収録記 2011年3月21日

4月分の収録は無事に終わっている。
私はいつも通りパンなどを買って14時に到着。
バチバチと暖房をつけ、お茶とコーヒーを用意していると
ほどなく森田も来た。

15時、志村享子さん。今回の紅一点だ。
女子なので日が暮れて寒くなる前に終わらせないと
収録中は暖房を消すので寒い。
16時、モリヤが来た。モリヤは遠藤守哉というのだが
私は勝手にモリヤと呼んでいる。
モリヤは世界の極小の部分のみ神経質に整理整頓し
残りはまったく気にしないタチだ。
そういう人間を相手にする場合は作戦がいる。
つまりこういうことだ。

モリヤはきっと収録中であろうとなかろうと
ドアの向こうの状況をまったく気にしないで
ピンポンピンポンピンポンとドアチャイムを鳴らすに違いない。
しかも何度も鳴らすに違いない。
さらに15分近く早くやってくるだろう。
よし、予定は15時45分だがこっちもサバを読んで16時と伝えておこう。

作戦は成功した。
志村さんがOKテイクの最後の1行を読み終わったとたん
ピンポンピンポンピンポンピンポーーン…ピンッポォーーーン
ドアチャイムが鳴ったのだ。
こうして志村さんと遠藤守哉の収録はつつがなく終了した。
ピンポンモリヤはテイクワンOKだった。
地震の日も家にいてこれといったドラマもない。
手作りの神棚(どこぞのお札を貼ってあるらしい)が落ちたらしいが
それは地震のせいか棚の出来ばえが神のお気に召さなかったのか
そこんとこが判然としない。

次が瀬川亮くんだった。
瀬川くんは地震の日は吉祥寺からタクシーに乗れたので
これといったドラマはなかった。
そのかわり地震後が面白い話があった。
私同様に電池の買い置きをしていなかったので苦境におちいり
関西の親戚に助けを求めたら大きな荷物が送られてきた。
なんじゃこりゃ…開けてみると電池が300個。
関西まで波及した電池の買い占めは
瀬川くんの親戚が発端なのではなかろうか。
しかし瀬川くんはその電池をひとり占めしたわけではなく
困っている人に分けたそうで
結果的にはみんなの役に立ったのだ。
できれば私も欲しかったぞ。

4番めは地曳豪くん。
地震の日に浦和から府中まで歩いて帰った元気ものだ。
靴下の爪先と踵に穴が開いたそうだが、
そのくらいで済んで本当によかった。

ラストバッターは大川泰樹くん。
この人は今回最長の原稿を読むことになっていた。
長い。とにかく長い。
執筆者古川裕也(少年という敬称がつく)は
前回書いてもらったときも長すぎて番組時間内におさまらず
えらいことになったのだが、今回もいやまして長い。
長い原稿をリズムを崩さず声のデコボコもなく
きちんと読むのは実はたいへんなことなのだが
でも大川くんは読んだ。いい仕上がりだった。
終わって片付けてご飯を食べに行った店で
最強かつ最恐のミキサーである森田が大川くんをベタベタとほめていた。

収録後はいつも後片付けを手伝ってくれる大川くんに
今回片付け初参戦の地曳くんも加わり
ラーメン屋で終電近くまで飲んだ。

そういえば収録中は地震がなかったが
電圧が下がっており、音が悪くなると森田が言っていた。
機材は100ボルトの電気を食べさせないとちゃんと働かないのだ。
こういうところにも微妙に地震の影響があるのだな〜(なかやま)


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