津波に勝ったクジラ
岩手県盛岡から
緑の山の中をクルマで駆け抜けると、
海沿いに山田町が見えてくる。
波もなくひたすら静かな湾を背にすると、
目にとびこんでくるのは、だだっ広い土地と、
家があったはずの四角い区画。
地面に落ちている茶碗の破片を見ると、
ここは人々が普通に食卓を囲んでいたんだと思いだす。
3月11日。津波はみんなの生活を
文字通り跡形もなく流してしまった。
そんななか、ぽつんと残った白い建物がある。
「鯨と海の科学館」だ。
足を踏み入れると巨大な白い物体が見える。
17.6メートル。世界最大級のマッコウクジラの骨の標本が、
天井から5メートルの高さにつるされたまま残っているのだ。
山田町はかつて鯨の町だった。
その標本は、1987年商業捕鯨の最後に捕獲された鯨の骨格を
3年間砂浜に埋めて油を抜き、
地元の子供たちが掘り返して復元したものだ。
十数年前にオカに上がった鯨は、
今回10メートル超えたと言われる津波を見事に泳ぎ切ったのだ。
津波を乗り越えた鯨は山田町の復興のシンボルになり
その強さと生命力でみんなを勇気づけている。
岩手県山田町HP:http://www.town.yamada.iwate.jp/
岩手県山田町観光協会HP:http://yamada-kankou.jp/
鯨と海の科学館:http://www.town.yamada.iwate.jp/kujirakan/
鯨と海の科学館公式ブログ:http://yamada-kujira.seesaa.net/
山田名物かき小屋再開中:http://yamada-kankou.jp/info/2011-10_kakigoya.html
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