中山佐知子 2012年4月30日

橋のニュース

      ストーリー 中山佐知子
         出演 遠藤守哉

橋のニュースをお伝えします。
2011年11月
インドネシアのサマリンダでは
補修中の橋が落ちるという惨事がありました。

この橋は中国の支援で建設されたクタイ・カルタヌガラ橋で
通行中のバスやオートバイがも川に転落し
10人が死亡、33人が行方不明になっています。
水中でガレキの下敷きになった犠牲者もいた模様です。
建設後わずか10年で橋が落ちた原因については
設計、資材、施工すべての原因が取りざたされています。

橋は怖いものだ。
つくづくそう思います。

1850年、フランスのアンジェという歴史ある街で
突然吊り橋が落ちました。
500人の歩兵隊が足並みを揃えて渡っている最中のことでした。
橋と一緒に転落した兵士は487人、うち226人が亡くなっています。
原因を調べたところ
足並みの揃った行進の歩調に吊り橋が共振したためと判明しました。
共振というのはブランコをタイミングよく押してあげると
どんどん揺れが大きくなる、あの原理です。
揺れて揺れてついに限界を突破して落ちる。
500人の兵士たちは
自分たちが危険なブランコをを押していることも知らずに
勇ましく行進し、落ちて亡くなりました。

橋って本当に怖いですね。

同じ共振の例としては
アメリカ合衆国ワシントン州のタコマナローズブリッジがあります。
この橋はもともと無理な設計のために
風のある日はロデオのように揺れる危険な橋として有名でしたが
1940年の開通間もないある日、風速19メートルの風を受けて揺れに揺れ
まっぷたつになって落下しています。
このときは危険な状況になってから通行規制が敷かれたために
人間の犠牲者はなく
クルマのなかに置き捨てられた一匹の犬だけが犠牲になりました。

橋は怖いです。
それでもあなたは橋を渡りますか。

1879年
スコットランドのテイ湾にかかる鉄橋テイブリッジが
風速30メートルの風を受け、走っていた列車ごと落下しました。
名前が判明した死者60人のほかに
15人の身元がわからない犠牲者がでています。

それから8年後
落ちた橋から数十メートル上流に新しい橋が架けられました。
この橋はいまでも健在です。
さて、数年前のこと。
この新しいテイブリッジ、といっても建設されて120年にもなるわけですが
この橋の再生プロジェクトが組まれ
橋の鉄骨から1000トンではきかない鳥の糞をこそげ落としました。
1000トンという想像を絶する重さと量の鳥の糞は
クルマ1000台分の重さに相当します。
誰も通っていないときでも橋はクルマ1000台の重さを支えていたのです。
本当にお疲れさまです。

それにしても橋は怖い。
あなたはそう思いませんか。

出演者情報:遠藤守哉 青二プロダクション http://www.aoni.co.jp/


ページトップへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA