勝浦雅彦のリメンバーカンヌ ③ カンヌの外れで「しまった」と叫ぶ

 写真① 泊ったホテル。遠かった。プールがありました。入らなかったけど

さて、バスはカンヌの中心地に到着しました。
開催日の前日、人もまだまばらです。

ここからカンヌライオンズ開催地である
パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ
( Palais des Festivals et des Congrès)まではすぐそこです。

すぐさま行ってみたい気持ちをおさえて、
スーツケースを抱えているのでとりあえず、
ホテルに向かうことにしました。

ここでふと頭をよぎる、
ホテル予約をした時から微かに抱えていた不安。

「ホテルは会場からやや離れています」
という旅行会社のお姉さんの言葉。

離れていると言ったってそこまで遠くないだろう・・・。
そうタカをくくった僕が愚かでした。

タクシーに乗って、行き先のホテルを告げる。

タクシーは会場に向かって右手の海岸線をひた走ります。

元来歩くのが好きな僕は、
「毎朝、海岸沿いを歩いて会場に行くなんて優雅じゃないか・・・」
などと加山雄三ばりに呑気なことを考えていました。

しかし、タクシーは走る、走る!
いっこうに止まる気配がありません。
海岸線をモンデュー(Mandelieu)という地域まで走り、
ようやく街中へ。
一瞬、どこか遠くへ連れ去られるんじゃないか、
という危機感すら覚えました。

結局、20分近く走ってホテルへ着きました。
・・・歩けるわけない。
着いてすぐ発覚した誤算に焦る僕。
加山雄三計画は一瞬にして崩壊です。

 写真② バスの時刻表。本数少なっ!

気を取り直して、
部屋に荷物を置いて再び中心部に向かうことにしました。
フロントで聞くと、中心部まではバスが出ている様子。

バス亭を探して時刻表を見ると・・・、
一時間に2、3本しかない!しかも、20時台が終バス!

はい、毎日帰りはタクシー確定です。
二つ目の誤算に打ちひしがれる僕。

思い起こせばかつてヤングカンヌで来た時は、
中心部の鉄道駅の近くの
モノプリ(MONOPRIX)というスーパーの隣のホテルで、
会場まで歩いて5、6分くらい。

その感覚で、カンヌのホテルは会場に近いもの、
と勝手に思い込んでいた節がありました。
(直前に予約したので、取れなかったという事情もありますが)

これからカンヌに自力で行かれる方は、
絶対に会場に近いホテル、もしくはアパートメントを
おすすめします。

さて、初日は20時間以上の移動の疲労もあり、
ホテルに帰ってさっさと寝てしまいました。

 写真③ カンヌで唯一まともなスーパーモノプリ。コンビニなどは無いので重宝します

翌朝、ホテルの周囲の海岸線を軽くジョギング。
コートダジュールは湿気が少なく、汗をかいても
ベタッとしません。これは気持ちいい。

海外出張でも必ずジョギングシューズを持っていく僕は、
この「現地を自分の足で走る」という行為をものすごく
大事にしています。
これにより、その国の空気と自分のリズムをチューニングする
わけです。

 写真④ 会場前。いよいよ開幕です

ちょっとテンションが上がったところで、
バスに揺られて(ちなみに片道1ユーロ)会場に到着、
日本で事前に情報交換していたフロンテッジの方々と
待ち合わせ。

英語が出来るクリエーティブ秘書の八木さんに、
会場登録の手伝いをしてもらおうという魂胆です。

お決まりの会場前で写真をパチリとしたあと、
いざ、登録というときに、重大なことを思い出しました。

「あれ、確か登録には、パスポートが必要・・・?」

はい、三つ目の誤算です。

かくしてまたもやバスに乗って、
遠いホテルまで戻って、また会場に帰ってくる、
という心が折れそうなタイムロスをこうむりました。

ホントにホテルは会場に近いほうがいいです。
・・・ホントに、ホントに。

結局、会場登録を自力でやることになり、
つつがなく30万近い登録費を払って、
パスをもらいました。
(事前にWEBでもできるようなので、そっちのほうが楽かも)

パスをもらった後に、ドサッとプログラムとか、
冊子とかをもらうので、
ホテルが近ければ荷物を置きに帰ることもできます。

だからホテルは会場に・・・、もういいか。

何度「しまった」と叫んだかわからない、
登録までの道のりを経て、
僕のカンヌは始まったのでした。

(つづく)


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