大川泰樹くん(写真左)とはじめて会ったのは
大川泰樹くんが21歳のときだ。
あと何年かで30年の付き合いということになる。
もとは友人の友人だったのだが
ナレーターとディレクターという関係になって
さらに私の書く原稿になくてはならない人になって
それから数えてもずいぶん長い。
私は情感というものを言葉ではなくリズムで表現するので
文章の言葉だけを取り上げると
それは分子構造や地質構造や天気予報などの一部だったりする。
文は骨格標本に似ており、肉や脂肪の部分がない。
こういう原稿には大川くんのような「乾いた情感」のある声が
実にピッタリで、
言ってしまえば、私は大川くんの声のおかげで
書きたいものが書けるようになったとも言える。
なのにもかかわらず
男同士なら殴り合いになっているかもというときもある。
かと思うと、もうお互いにトシでもあるので
いたわり合ったりするときもある。
まあ何にしろ、あのときの21歳のお兄ちゃんが
いまでは老眼鏡をかけている。
ああ、長い付き合いだ…(なかやま)
丸原孝紀・大川泰樹「路地の旅路」
http://www.01-radio.com/tcs/archives/24110
2012年12月23日の夜から公開
中山佐知子・大川泰樹「ROG」
http://www.01-radio.com/tcs/archives/24202
2012年12月30日の夜から公開