ワッゲンオッゲン上映中(牛深通信最終回-15)

ワッゲンオッゲンがやっと東京のシネスイッチで公開されています。
待ちに待っていたわけなので、仕事の隙間を縫って見に行きました。
まあ、別のブログにかなり書いてしまったので
http://nknk.exblog.jp/20786851/
重複を避けるとあまり書くこともないのだけれど、
敢えて書くとすればですよ。

この映画のユニークさは地域映画であり、
天草の地元の人たちの参加で成り立っているところだと思うわけです。
地元の人たちで事務局を運営し、
役者が滞在する家から、布団からストーブから
ことごとく地元からお借りして、婦人会が炊き出しをしてくれて
エキストラの募集も地元の事務局がおこなってきたわけですね。
むしろ旗を立てて一揆のような騒ぎで制作した映画ですよね。
そういう熱気をとらえそこねているんですね、この映画は。
そして、肝心の風景も。

熱気があるのは役者です。
大竹しのぶさん、松田美由紀さん、西尾まりちゃん、
ブラザートムさん、遠藤憲一さん、中村有志さん。
みなさんホットです。
長山藍子さんは…熱気いらないです、ご老人の役なので…

役者のみなさんの自主的な熱気はとても感じます。
何とかしなくちゃ、何とかしよう、えいえいおーみたいな。
そういう意味でこれは見どころのある映画です。

カメラはその役者をとらえています。
でも、風景がありません。
あれだけたくさん集めたエキストラの群衆シーンもありません。
確かに役者を撮っていればストーリーは進みますが
やはり余白は必要です、映画なんだから。
ロケ隊の本拠は天草の牛深に置かれましたが、
そこには海と山の狭い隙間にひしめく家並み、
坂道や路地があります。
そして漁港はいくつもあります。
古い漁港です。なにしろ昔は牛深が九州の中心でしたから。
海という視点で見るとそうなんですよ。
九州のど真ん中に天草があるんです。

西尾まりちゃんの映画での設定では、実家が崎津ということでした。
崎津には海に面した素晴らしい教会がありますが
その片鱗も見えません。え?写ってましたか?
それはね、きっと建築材料が写ってたんですよ。
コンクリとか木とかガラスとかが写っていただけで
それは教会じゃないんです。

ああ、そしてあのエキストラの群衆はいずこ??
群衆はね、設計図を描いてちゃんと指示を出さないと
撮れないんだよ。集めるだけではダメなのよ…と、
つい言いたくなります。

地域映画というのは、その地域を活性化させるのが目的です。
地域の大勢の人を巻き込んだ期間限定のプロジェクトです。
その一方で、いまある風景を記録しておこうとか、
映画を見た人が訪れてくれないかしら、とか
そういう目的もあるはずです。
だからね、やっぱりね、役者の向うに風景が見えないといかんです。

あ、下は岐阜かどこかの地域映画ですが
カメラが引いたときの風景が本当にキレイなんですよ。
やっぱ、こういうのがいいなあ(なかやま)

ああ、そうそう。
とはいえ、見てくださいね、ワッゲンオッゲン。
役者の皆さんはホットですぜ(なかやま)

西尾まりちゃんの牛深通信、全部読みたいかたは下のURLからどうぞ
http://www.01-radio.com/tcs/columnindex/西尾まりの牛深通信

ワッゲンオッゲンfacebook:https://www.facebook.com/waggenoggen

ワッゲンオッゲンあまくさ映画プロジェクト:http://amakusa-movie.com/


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