贈る言葉
卒業生の皆さん。
今日のこの巣立ちの日を、皆さんとともにむかえられること、
その感激に、今あらためて胸をいっぱいにしています。
この学び舎を預かる身として、これにまさる喜びはありません。
皆さんの顔をこうして見渡していると、
ああ、もう、皆さんは、立派な大人だなと、感じます。
これから皆さんは、この学校とは違う環境へと旅立って行かれる。
人生の新しいステージの中で、
社会の現実というものに直面されることもあるでしょう。
そんな皆さんに、私から、どんな言葉をおくったらいいだろうと、
考えました。
今日、皆さんにぜひ伝えるべきメッセージをひとつあげるとするなら・・
覚えておいででしょうか。
3年前、校舎内での教師による喫煙が、全面的に禁じられました。
地理をご担当の高木先生は、
非常なヘビースモーカーでいらっしゃいました。
皆さんもよくご存知でしょう。
休み時間に、階段の踊り場でタバコをくゆらせる高木先生のお姿は、
とても絵になったものです。
その高木先生が、タバコをそれだけ愛する高木先生が、
学校内でのタバコをやめられるにあたっては・・
ほんとうに、不満たらたらでありました。
よく、私のおります校長室に、木刀をこんなふうに、ぶらぶらとさせながらね、
入っていらっしゃいまして、おっしゃったものです。
「安月給の唯一の楽しみを、なんの権利があって、あんたらは奪うの」。
私は申しました。高木先生、お気持ちはよくわかります。
でも、決まったことですから。
そうしないと、きょうび、保護者の理解も得られないのです。
高木先生。木刀はぬきにして。木刀はぬきにして、話しあいましょう。
・・・ええ、つまり、何が言いたかったと申しますと。
このように、社会というのは、一面からは捉えきれない、
多様性をもつものだということ。
そのことを、皆さんへの、私からのメッセージとして・・
あ、もうひとつありました。
もうひとつありました。
保健体育の吉田先生。
吉田先生は、ワークライフバランスを非常にきちんとお考えになる先生です。
毎日、5時きっかり、職員室の時計の秒針が5時をさすその瞬間に、
職員室を飛び出していかれます。
そんな姿を見ながら、ああ、新しい時代の働き方だなあと、
私は感じ入っておったものです。
ところが、ある日、不思議なことに気がつきました。
職員室の時計が、じつは、2分ほど進んでいたのです。
思い当たる節がありました。
吉田先生は、毎日夕方5時2分発の電車に乗って、
ご自宅へお帰りになります。
ですが、5時に学校を出ると、この5時2分の電車には、
ぎりっぎり間に合わない。
そういうことか、と。
私、そのことを、いちど吉田先生に、それとなくお尋ねしました。
そのとき、吉田先生が、わたしの顔を見ながら、こう、おっしゃいました。
「ああ?」。
私はそれ以上、立ち入らないようにいたしました。
さて、皆さんは、どう思われますか?
その時計を早めたのは吉田先生かな?
どうなのかな?
それは、皆さんが、考えていただきたいと思います。
そしてこれからの人生の中でおりにふれ、
じぶんの心に繰り返し問いかけてみてもらえたらと思います。
しかし、校長という仕事は、そんなことばかりです。
そーんなこと、ばっ、かり。
本当は、隣の校区の校長になりたかったんです。
あちらは、進学率もいいですし、生徒の質も、教師の質も、ここより高い。
ねえ、そうでしょ?
そうなんですよ。
つまり、私が皆さんに本当に言いたかったことは・・
私だって、卒業したい!
今日にだって!
ローンさえ無ければ!
はっははは。
いやあ。
はっはっははは。
・・・ということで、卒業生の皆さんに贈る言葉とさせていただきます。
卒業おめでとう!
出演者情報:遠藤守哉(フリー)
今回もありがたく聴きました。
私にとっては3年前にふさわしいストーリーだと思いますが、
なんかもう一つありましたという部分は韓国も日本も校長はみんな同じかなと感じましたねw
聴きながら、私ももう卒業というのがまだ一つ残ってますけれど、高校までは終わったなという人生の段階を感じました。もう今年で21歳になりますから、意外と時間は早いですね。
一週間ずっと遠藤様の声しか聞いてなかったんですが、このような現代語で聞いたらなんか新しい気持ちがします。
2月8日に無双の新作が出まして、今も無双をプレイしています。当たり前のように初めのキャラクターは劉備ではじめましたw劉備のストーリーが非常に長く、最後にクリアするまで30時間くらいかかりました。
遠藤様のコメントでストーリーを演じながら旅をしてるような気持ちになったと仰ったんですね。
私も今作はなんか旅をしている感じでした。韓国のファンたちはストーリーがよく、遠藤様の声がすごかったと反応がいいんです。私は遠藤様が劉備を演じるのではなく、劉備そのものだと感じました。
余韻がすごく残って、何日ぐらいストーリーから離れませんでした。本当にいい作品いつもありがとうございます。今も蜀の人をクリアしているので、これからも頑張って聴きます!